Lv9 試練の道
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あ、今のは何だったんだ、いったい……」
俺にしか聞こえなかったようだ。
(どういう事だ……なんで俺だけ……)
アーシャさんが訊いてくる。
「ところでコータローさん。その声はなんと言ってたんですの?」
「内容ですか? えっと、確か……『この先は試練の道。前に進む勇気を我に見せよ。勇気を持たぬ者には死が待ち受ける』と言ってましたね。どういう意味なんだか、分かりませんけど」
するとアーシャさんは、眉間に皺を寄せ、扉に書かれた文字を凝視したのである。
「……コータローさん。さっき、この文字に触れましたわよね?」
「ええ、触れましたね」
「もしかすると……」
アーシャさんは恐る恐る扉の文字に手を伸ばす。
そして、文字に触れたその直後、驚きの表情を浮かべ、俺に振り返ったのであった。
「わ、私にも聞こえましたわ。確かに今言った内容の言葉です。それとこの内容は、ここに書かれている古代リュビスト文字の文章そのものだと思いますわ。私も所々は読める文字もありましたので、それらを繋ぎ合わせるとこの文章になる気がするのです」
「本当ですか?」
俺は念の為、とりあえず、文字以外の場所にも触れてみたが、声が聞こえてくるのは文字に触れた時だけであった。
どうやら、アーシャさんの言う通りのようだ。
「文字に触れると声が聞こえるので、その可能性が高そうですね……」
多分だが、文字の読めない人にもわかるように、こういう仕掛けを施したのかもしれない。
まぁそれはさておき、俺は扉のノブに手を掛けた。
「……何が待ち受けているか分かりませんが、とりあえず、扉を開きますよ」
アーシャさんはコクリと頷く。
「ええ、開いてください」
「では行きます」
そして俺は、恐る恐る扉を開いたのであった。
[V]
俺は生唾を飲み込みながら銀色の扉を開いた。
だがその先にある恐ろしい光景を見るなり、俺とアーシャさんは息を飲んだのである。
俺達の視界に入ってきたモノ……それは真赤に燃えたぎるマグマで埋め尽くされた通路なのであった。
「嘘だろ……」
「な、なんですの、これ」
見ているだけで、恐ろしいほどの熱気が肌に伝わってくる。
しかも、この熱気によって、目の前の空間が歪んで見えるくらいであった。
その為、これは本物のマグマだと、俺の中の何かが訴えかけてくるのである。
俺はマグマで埋め尽くされた通路の先に目を向ける。すると、20mほど先に、黒い扉が小さく見えた。通路は真っ直ぐなので、これが意味するところは1つであった。そう……この先に進むには、どうでもこの通路を通らないといけない、という事である。
まさか、こんな通路が扉の向こうにあるなんて思いもしなかった。これは非常に不味い状況である。
と、そ
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