Lv9 試練の道
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別に深い意味は無いですし、横柄にもなってませんよ。それよりも、進むのなら急ぎましょう。どれだけ時間が掛かるか分かりませんから」
「……上手く逃げましたわね。いいでしょう。でも、ここを出たら、ちゃんと聞かせてもらいますからね」
結構、執念深い性格のようである。
面倒な相手に目を付けられたのかもしれない。
まぁそれはさておき、俺はそこで立ち上がった。
「それじゃあ、行きますか」
そして、銀色の扉へと近づいたのである。
扉の前に来た俺は、取っ手に手を伸ばす。
だがその直後、奇妙な文字が、突如、扉の中心部に浮かび上がってきたのだ。
「な、なんだこれ……」
それはまるで炙り出しの文字のようであった。
どういう原理でこうなっているのか分からないが、今のを見る限り、扉に接近したら浮かび上がる仕掛けになっているのかもしれない。
まぁそれはさておき、この浮かび上がった文字だが、先程の大広間でヴァロムさんが解読していた、古代リュビスト文字というのに似ている気がした。
とはいえ、浮かび上がった文字は三行程度だったので、あの石版と比べると文字数はかなり少ない。
だが幾ら少なくても、なんて書いてあるのかはサッパリであった。
というわけで、俺は早速アーシャさんを呼んだ。
「アーシャ様、ちょっと来てください」
「どうしました?」
「扉に文字が浮かび上がってきたんですけど、なんて書いてあるかわかりますかね?」
「文字? どれですの」
「ここです」
俺は書かれている文字を指さした。
「これは古代リュビスト文字ですわね。えっと……この先は……試練の道…………駄目ですわ。私では解読できません」
途中までは何とか読めたみたいだが、どうやら無理そうである。
「そうですか。でも、かなり重要な事が書いてありそうなんですよね」
アーシャさんは残念そうに溜め息を吐いた。
「私も勉強はしているのですが……まだまだ難しいですわ。それに、古代リュビスト文字を読める者は、古代魔法の研究者でも一握りだけですの。それほどに難しい文字ですのよ」
「そうなのですか……でも、弱ったな……このまま進むのは、なんとなく危険な気がするんですよね」
俺はそう言って、浮かび上がった文字に手を触れた。
と、その時である。
突然、何者かの声が聞こえてきたのだ。
【この先は試練の道……前に進む勇気を我に示せ……勇気を持たぬ者には死が待ち受ける】
「だ、誰だッ!」
俺は周囲を見回しながら叫んだ。
「コ、コータローさん。突然、どうしたんですの!?」
「たった今、妙な声が聞こえてきたんですよ。低い男の声みたいなのが……」
「妙な声? そんな声は聞こえませんでしたわ。変な事を言わないでください」
「へ? そうなんですか。じゃ
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