Lv9 試練の道
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魔法技術によって生み出された時空の扉ではないかと書いてありましたわ。それと、どれだけ離れた地でも、一瞬で往来が可能になるとも書かれてましたわね。まぁ私も見た事が無いので、なんとも言えませんが……。で、それがどうかしましたか?」
この口ぶりだと、ルーラやドラゴラムと同様、恐らく、今現在は失われてしまっている技術なのだろう。
だが、旅の扉については、一応、伝わってはいるみたいである。
「これは俺の勘ですが……多分、今の青い煙の渦が、旅の扉だと思います」
アーシャさんは目を大きく見開いた。
「な、何ですって! というか、どこにそんな証拠があるんですの!?」
俺は頭を振る。
「証拠はありません。ですが、現に俺達は、あっという間に違う場所へと転移しています。なので、そう考える方がしっくりくるんですよ。それに、ここは古代の建造物。そういう事があってもおかしくは無いんじゃないですかね」
「そ、そうかもしれませんが……まさか、そんな事は……」
アーシャさんはそう言って、青い渦があった場所へと視線を向けた。
俺も半信半疑だし、いきなりそう思えというのも、無理な話だろう。
まぁそれはさておき、俺は話を続けた。
「で、アーシャ様、それを踏まえたうえで聞いてほしいのですが、あの旅の扉は、恐らく、試練を受ける者のみを運ぶ、一方通行の扉だと思うんです。まぁこれは俺の個人的な見解ですがね。だがそう考えますと、試練を突破しない事には、ここからは出られないという事になってしまうんですよ。俺の言ってる意味、分かりますよね?」
アーシャさんは険しい表情で、ボソリと呟いた。
「試練を受けないと……ここから出られない……」
「はい、そうです。なので、もしそうならば、このまま待っていても助けは来ないかも知れません。いや、来れない可能性の方が高いです。ですから今は、あの銀色の扉を潜って先に進むのも、選択肢の1つに入れた方が良いと思うんですけど……アーシャ様はどう思いますか?」
俺は反対されると思っていた。
だが、アーシャさんは意外にも、すんなりと承諾したのであった。
「そうですわね。コータローさんの言う事も一理ありますわ。こうなったら仕方ありません。先に進みましょう」
正直、少しゴネる気はしたので、肩透かしを食らった気分である。
俺は思わず言った。
「なんか意外ですね。アーシャ様の事だから、てっきり反対すると思ったんですけど」
「む、少し棘のある言い方に聞こえましたわ。どういう事かしら? それとさっきから、なんとなく、言葉使いが横柄になってる気がしますわね」
アーシャさんはそう言うと、俺に流し目を送ってきた。
つい余計な事を言ってしまったようだ。
まともに相手すると疲れるので、俺はとりあえず聞き流すことにした。
「いや、
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