Lv9 試練の道
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というわけで話を戻そう。
装備品のチェックを終えたところで、俺はアーシャさんに確認した。
「アーシャさん、準備は良いですか?」
「もう結構ですわ」
「じゃあ、開けますよ」
アーシャさんは緊張した面持ちでコクリと頷く。
そして俺は、慎重に扉を開いたのであった。
黒い扉の向こうには、四方の壁が全て鏡となった縦長の四角い空間が広がっていた。
周囲の鏡が互いを映すので、ひどくゴチャゴチャしている所である。
また、よく見ると中は結構広く、縦に30m、横幅が10mくらいはありそうな空間であった。
(なんだここ……壁全部が鏡かよ。まぁ……ラーの鏡がありそうな雰囲気ではあるけど……さて、何が待ち受けているのやら……)
中に入ったところで、俺は扉を閉め、まずは周囲を見回した。
すると、奥の壁に1つだけポツンと佇む扉が、視界に入ってきたのである。しかも、それは黄金の扉であり、この鏡の空間内で、異様なほど存在感を放っていたのであった。
(今見た感じだと、気になるのはあの扉だけだな……他には何もなさそうだ)
あの黄金の扉が、真実へと繋がる扉なのかもしれない。
「コータローさん、あの扉がそうみたいですわね」
「ええ。ですが、立ち塞がる困難という表現がありましたので、注意が必要ですよ」
「勿論、わかってますわ」
俺達は互いに頷くと、武器を構えて、警戒しながら扉へと進んで行く。
だが、この部屋の真ん中あたりまで進んだところで、異変が起きたのであった。
なんと前方の床から、突如、不気味な2つの黒い煙が立ち昇ったのである。
「な、なんですの。アレは!」
「魔物かッ!」
俺は慌てて魔導士の杖を黒い煙に向ける。
アーシャさんも同じように、祝福の杖を黒い煙へと向けていた。
黒い煙は俺達と相対する位置から立ち昇っている。
しかし、黒い煙は俺達に攻撃してくるような気配はなかった。
その為、俺達は暫し様子を見る事にした。
と、その時である。
なんとその黒い煙は、突如、渦を巻き始めたのである。
すると程なくして黒い煙は、漆黒のローブを纏う不気味な存在へと変貌を遂げたのであった。
俺達はそれを見るなり、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
その姿はまるで、ロード・オブ・ザ・リ○グに出てきた指輪の幽鬼ナズグルを思わせる不気味な存在だった。
そして、この2体の不気味な存在は、俺達の行く手を阻むかのように、黄金の扉の前に立ち塞がったのである。
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