Lv8 太陽神
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なってるから、それに対して不信感を抱いてるのだろう。
「はいはい、触りませんよ。ただ、変化が無いか確認しに来ただけですから」
「本当かしら?」
アーシャさんは冷ややかな流し目を送ってきた。
「だから、本当ですって……ン?」
と、その時であった!
なんと石版の中心にある太陽の絵から、青白く輝く煙のようなモノが立ち昇ってきたのである。
そして瞬く間に、それは大きな渦へと変化していき、俺とアーシャさんを石版ごと包み込んだのであった。
「な、なんですの、この青い煙みたいな渦は!?」
「なんだよ、コレ!」
俺とアーシャさんは、この突然の事態に焦った。
ヴァロムさん達の慌てた声も聞こえてくる。
「コ、コータロー!」
「アーシャ!」
しかし、その声が聞こえる頃にはもう、俺達は青い渦に完全に飲み込まれる状態になっており、周囲の様相が分からないところまで来ていた。
そしてその直後、地に足のつかない浮遊感と、キーンという耳鳴りの様な音が聞こえてくるようになったのである。
(いったい何なんだよ、この現象は……聞いてないぞ、こんなの。というか、ここ最近、何で俺ってこんな展開ばかりなんだよッ)
突如現れたこの現象に対して、俺の脳内は少しパニックを起こしかけていた。
だがそれも僅かばかりの間であった。
程なくして、地に足がつくような感覚が戻ってきたからである。
またそれと共に、青い煙状の渦も少しづつ収まってきたのだ。
俺はホッと胸を撫で下ろした。
「アーシャ様、今の内にこの外に出ましょう。またさっきみたいになるかもしれないですよ」
「そ、そうですわね。早く出た方が良さそうですわ」
俺とアーシャさんは、脱出すべく、足を前に踏み出した。
そして、青い煙の中から完全に抜け出たところで、俺は背後を振り返ったのだ。が、しかし……視界に入ってきた光景を見るなり、俺は驚愕したのであった。
「な、なんだこの狭い部屋は!? さっきの場所と全然違うじゃないかッ。どこだよッ、ここッ……」
アーシャさんも驚きのあまり目を見開いていた。
「ここはいったい、ど、どこですの? お兄様やオルドラン様は? な、なんで私は、こんな所にいるんですの!?」
そう……俺達はいつの間にか、20畳程度の小さな部屋の中にいたのである。
やっと青い煙から出られたと思ったら、あの石版のある場所じゃなかったのだ。
視線の先にある青い煙の渦は、今にも消えそうになっていた。というか、今、フッと消えてしまった。
そして、シンとした静寂が辺りに漂い始めたのである。
俺とアーシャさんは青い煙が消えた後も、この突然の事態に、暫し呆然と立ち尽くしていた。
だが時間が経つにつれて、だんだんと冷静に考えられるようになってくる。
そこで俺は、
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