Lv8 太陽神
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てるんじゃないですかね」
「何を言うのかと思えば……なぜそんな考え方をしなきゃいけないのかしら。馬鹿馬鹿しい」
アーシャさんはそう言って鼻で笑った。
だがヴァロムさんは対照的に、少し思案顔になったのである。
暫くするとヴァロムさんは口を開いた。
「……そうか。確かにこれは、知性と勇気と精神を示せという、太陽神・ラーの謎かけなのかもしれぬ。何より真実を謳う以上、偽物で試すという事は大いにあり得る。ならば、そう考えると……」
ヴァロムさんはそう言うと、4体の像へと視線を向かわせたのである。
どうやら気づいたようだ。
「そこなんスよ。この石版を太陽神だと考えると、4体の石像の位置はおかしいんですよね」
「は? 何がおかしいというのかしら?」
アーシャさんは首を傾げていた。
理解できないといった感じである。
つーわけで、俺の見解を述べておいた。
「決まってるじゃないですか。眩い太陽神に向かって、まともに視線を向けているこの像はありえないんですよ」
「うむ。そうじゃな。そう考えると、この石像の位置は不自然じゃ。コータローよ、あの石像をまず調べてみてくれ」
ヴァロムさんは4体あるうちの1体を指さした。
「はい、ヴァロムさん」
俺は頷くと、早速、行動を開始したのである。
石像へと近づき、俺は入念にチェックした。
触ってみた感じだと、石膏を思わせる真っ白な石像であった。
次に俺は、上から順に何か仕掛けがないか確認をしてゆく。
そして、石像の足元付近に、小さな切れ込みが入っているのを俺は見つけたのである。
もしやと思い、俺は石像を回してみた。
すると思った通りであった。やや重かったが、石像は回転扉のように回ったのである。
そこでヴァロムさんの声が聞こえてきた。
「回ったのぅ……コータローの言う通り、この石像に何か秘密があるようじゃ。とりあえず、4体とも石版から目を逸らす位置に回そうかの」
「はい、オルドラン様」
ティレスさんとアーシャさんも、石像へと移動して回し始める。
続いてヴァロムさんも、残りの1体を回しに向かった。
そして、この4体の石像は、中心の石版からそっぽを向いた構図に変わったのである。
俺達はそこで石版に視線を向けた。
だが、何も変化が現れなかった。
(これじゃないのだろうか……いや、まだわからない)
俺は石版に近寄り、何か小さな変化が無いかを確認する事にした。
石板の前に来た俺は、暫くの間、ジッと様子を窺う。
するとそこで、アーシャさんが俺の隣にやって来たのである。
「何でも勝手に触ったらダメですわよ。触る時は、オルドラン様の指示を仰いでからですわ」
どうやら、俺を監視しに来たようだ。
アバカムの時、俺が水晶球を弄ってた事に
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