Lv8 太陽神
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後の方にこんな記述があったのじゃよ」
そこでヴァロムさんは、石版の端に書かれている文字を指でなぞった。
「ここにある文字列を解読するとこういう文章になる。……我が力を得ようとする者よ……知性と勇気とその精神を我に示せ。さすれば、真実の道は開かれよう」
「知性と勇気とその精神……。この文脈を見る限り、なんとなく試練の様なものに聞こえますわね」
「うむ。恐らく、そのような解釈で間違いなかろう」
ティレスさんは顎に手をやり、首を傾げる。
「しかし、オルドラン様。太陽神・ラーなどという神の名は初めて聞くのですが、これは古代に信仰されていた神なのでしょうか?」
「……じゃろうの。じゃが、イシュマリア誕生以前の歴史については、今では手掛かりとなる文献も殆ど無いので断定はできぬがな」
それを聞き、アーシャさんは残念そうに溜め息を吐いた。
「今から2000年以上前、イシュラナ神殿の大神官が、古代文明の文献や記述を全部悪という風に位置付けて、焚書扱いにしたのが悔やまれるところですわ」
「まぁの……。じゃが、それを今言っても、もう始まらぬ。それに儂等は今、何千年もの間、誰も見る事が出来なかった古代文明の一端を垣間見とるわけじゃ。じゃから、今はこれらについて考えるとしようかの」
よくわからないが、どうやら歴史上の話で、色々と込み入った事情があるようだ。
まぁそれはさておき、俺はヴァロムさんに問題点を指摘した。
「でも、ヴァロムさん。今の内容ですと、あまりにも大雑把過ぎるので、試練といっても、どこから手を付けていいのかよく分かりませんよね」
「確かにの……。ふむ、そうじゃな。まずは、この建物内を隈なく調べるとするかの」
「ですわね」
というわけで、俺達はさっきと同様、手掛かりを探す為、建物内を奔走する事になったのである。
[W]
俺達は1時間程かけて、1階と2階の確認できる範囲を全て見て回った。
だが、幾ら探せども、手掛かりらしいものは何一つ見つけられなかったのである。
その為、俺達はもう一度石版の前へ集まり、今後の方針について話し合う事にしたのであった。
勿論、話し合いは、ヴァロムさんとティレスさんとアーシャさんの3人によってである。
というわけで、俺はさっきと同様、また蚊帳の外なのだ。
(さて、どうやって時間を潰そうか……どこかで横になって寝るのが一番いいんだけど……)
などと不届きな事を考えていると、ヴァロムさんが俺に話を振ってきた。
「コータローよ。お主はどう思うかの?」
「はへ? ど、どう思うとは?」
無防備だったので、思わず気の抜けた返事をしてしまった。
するとアーシャさんが、ムスッとしながら口を開いた。
「あの試練の内容についてに決まっておりますわッ」
とり
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