Lv7 イデア遺跡群
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朝日が昇り始める早朝。
俺は馬車の車窓から、流れゆく景色を眺めていた。
そこから見えるのは、どこまでも広がる草原と遠くに見える山だけで、他に目につくモノは何もない。しいて言うならば、俺達が進んでいるこの砂利道くらいだろうか。とりあえず、そのくらいのものである。
だがしかし……今、俺の目の前にある光景は、日頃の嫌な事も忘れる事が出来そうなくらいに、神秘的なものとなっていた。
なぜなら、辺り一面に広がる草原は、草葉についた露に朝日が反射して、宝石を散りばめた様な輝きを放っていたからである。
それはまるで、光の楽園を思わせるような、眩く美しい光景であった。
この世界に来てから、今ほど癒される光景を俺は見た事がない。その為、俺は少し得した気分になっていたのである。
早起きは三文の得という諺があるが、これもそういった事の一つなのかもしれない。
とまぁそんな事はさておき、俺は今、馬車に乗って何をしているのかというと……イデア遺跡群へ向かう為に移動をしているところであった。
ちなみにだが、俺が乗っているのは、マルディラント守護隊の所有している馬車である。
で、この馬車に乗った感想だが……ヴァロムさんの荷馬車と違い、屋根付きの上に座席もあるので、すごく快適であった。
しかも、乗車定員は10人という事で中も結構広い上に、2頭の馬で引くタイプの馬車なので、それなりに安定感もあるのだ。
以上の事から、俺は、つくづく思ったのである。
やっぱ馬車移動はこういうタイプの馬車でしょ、と。
話は変わるが、今、この馬車に乗っているのは、ティレスさんとアーシャさんにヴァロムさんと俺、それと守護隊の者が務める御者を含めた5人だけである。
だが、今回の人員はこれだけではない。
外にはこの馬車を守るように、守護隊の者達20人が馬に跨って並走しているのだ。
つまり俺達は、護送船団のような陣形を取りながら、総勢25名の者達でイデア遺跡群へと向かっているのであった。
ティレスさんとヴァロムさんが話し合った結果、この移動方法になったのだ。
また、ティレスさんの話だと、連れてきた20名の者達は、守護隊でもかなりの腕利きらしく、しかも全員が、守護隊仕様の魔法の鎧や、魔力が付加された武具を装備しているという凄い武装なのだ。もはやショボイ魔物では相手にすらならないに違いない。
この面子ならば、俺が戦闘するという事はなさそうなので、頼もしい事この上ないのである。
というわけで話を戻そう。
俺は外を眺めながら大きく欠伸をした。
「ふわぁぁ」
景色は確かに美しいが、同じような景色が続くから、少し眠たくもなってくるのだ。
これは仕方ないところである。まぁ眠いのは、別の理由もあったりするのだが…
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