Lv7 イデア遺跡群
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それはわからぬが、とりあえず、まずはこの中を調べてみるとするかの」
というわけで、俺達は手掛かりを探す為に、暫しの間、この建造物の内外を調べる事になったのである。
――それから1時間後――
俺達はまたさっきの扉の前に集まった。
皆の表情を見る限り、何も見つからなかったのは明白であった。
まずアーシャさんが口を開いた。
「やはり、何も手掛かりなしですわね。考えてみれば、この遺跡はイシュマリア誕生以前のモノである上に、今まで多くの者達が頭を悩ませてきた所です。こんな簡単に、手掛かりが見つかるわけありませんわね」
「ふむ。そのようじゃな……」
ヴァロムさんはそう言って、長い顎鬚を撫で始めた。
「オルドラン様、この建造物以外にも、ここには沢山の遺跡があります。まずそのあたりを地道に調べていった方が良いんじゃでしょうか?」と、ティレスさん。
それを聞き、ヴァロムさんは渋い表情をしていた。
アーシャさんが反論する。
「お兄様、それでは時間が掛かりすぎてしまいますわ。もう少し効率の良い方法を考えるべきです」
とまぁこんな感じで、3人は難しい表情を浮かべながら、今後のミーティングを始めたのである。
蚊帳の外である俺は、手持無沙汰の為、石の扉に埋め込まれている青い水晶球を見る事にした。
なんで水晶球を見に来たかというと、ただ単に綺麗だったからだ。それ以外に理由はない。
俺は水晶球の前に来ると、マジマジと眺めた。
大きさはサッカーボールくらいありそうで、一点の曇もない、透き通るような青さを持つ水晶球であった。
何の為にこんな所に埋め込んだのか知らないが、もったいないなぁと俺は思ってしまうのだ。
やっぱこういう綺麗な物は、もっと品の良いところに飾っておいた方が、美しく見えるからである。
とりあえず、こんな廃墟に似つかわしくない、美しい水晶球であった。
まぁそれはさておき、俺は水晶球を眺めながら、さっきのヴァロムさんの言葉を思い返してみた。
あの時ヴァロムさんは、確かこう言っていたのである。
真実を求めるものよ。青き石に触れて魔力を籠めよ。そして解錠の言霊を紡げというような事を……。
解錠の言霊というのが分からんが、多分、何か呪文のようなモノを唱えろって事なんだろう。
(ゲームではあまり気にならんかったけど、こういうイベントを実際にやられると、かなり面倒やなぁ……手掛かりを探すのが大変やわ)
俺は少しゲンナリしていた。
と、その時である。
解錠という言葉を聞いて、ふとあの呪文の事が俺の脳裏に過ぎったのだ。
(そういや、あの呪文て、解錠呪文だったよな……まさかな)
俺は半分冗談のつもりで、青い水晶球に右手で触れると、魔力を籠め、あの呪文を唱えてみた。
「アバカ
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