Lv7 イデア遺跡群
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、それほど真面目に聞いてなかったが、要は物事の真贋についての話である。
だが、このイデア論……今の現状を考えると、非常に興味深い話なのであった。
なぜならば、このイデア論におけるイデアとは『真実』という考え方だからである。
その為、俺はこのイデア論を思い出すと同時に、ある考えが脳裏に過ぎったのだ。
これから導き出されるモノといえば、もうこれしかないだろう。
そう……真実を映すと云われるラーの鏡である。
そこで俺は考える。
ラーの鏡とダーマ神殿について書かれた書物がイデア遺跡から見つかった事と、今のイデア論の内容……これは果たして偶然なのだろうかと。
だが、これはあくまでも、この地のイデアとプラトンのイデア論が同じような意味合いだった場合の話である。なので、現時点でそう決めるのはまだ早いのだ。
それにただの偶然という可能性も、勿論、否定できない。
その為、これについては暫く様子を見ることにし、今は記憶の片隅に留めておこうと、俺は考えたのであった。
[W]
イデア遺跡群に入った俺達は、馬車のスピードを緩めず、中心にある一際大きな建造物へと進んで行った。
遺跡群の中は、イネ科と思われる背の高い雑草が至る所に茂みを作っていたが、中心にある大きな建造物まで伸びる道には、草を踏みつぶしたような二本の轍がずっと続いていた。
轍の跡はどうやら馬車のようだ。しかも、結構新しい感じであった。
これを見る限りだと、ここ最近、この地に出入りする者がいたという事なのだろう。
ソレス殿下は人の出入りを封鎖したと言っていたが、完全にはやはり難しかったに違いない。
(盗掘する者が結構いるんだろうな……まぁこんな世界だし、しゃあないか……)
俺は次に、周囲の建物へと視線を向ける。
この地にある建物は、マルディラントと同様、古代ローマや古代ギリシャを思わせる様式の建造物群であった。が、しかし、それはあくまでも様式が似ているというだけで、建物自体は風化してボロボロになっている物が殆どである。
しかも、中には原型を留めていないくらいに朽ち果てた建物もある上に、周囲に生える背の高い雑草や蔓に覆い隠されてしまっている建物もあるのだ。
その為、どこから見ても廃墟といった感じの光景であり、人の営みなどというものは微塵も感じられない所なのであった。
だがそれでも、中心にある巨大な建造物だけは別格の存在感を放っていた。
それは古代ギリシャのパルテノン神殿のような感じの四角い建造物で、周囲に立ち並ぶ大きな丸い柱が、その堅牢さを見る者に訴えかけているようであった。
また、その建造物は小高い丘の様な所に建っており、そこへと続く長い石階段が、俺達を待ち受けるかのようにまっすぐ伸びているのである。
(さて
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