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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv7  イデア遺跡群
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…。
 まぁそれはさておき、俺は欠伸で出た涙を手で拭った。
 と、そこで、俺の正面に座るアーシャさんが、ややムスッとしながら口を開いたのである。
「コータローさん……もう少し、シャキッとなさったらどうですか? 貴方は出発してから緊張感が無さすぎますわ」
「も、申し訳ありません、アーシャ様。実は昨晩、あまり眠れなかったものですから、その影響が出ているみたいです」
 これは事実である。
 確かに寝不足なのだ。
「それは言い訳にはなりませんわ。今日出発すると分かっていたのですから、ちゃんと睡眠をとらない貴方がいけないのです。たるんでいる証拠ですわ」
 俺は深く頭を下げた。
「仰る通りでございます。申し訳ありません。私の不徳と致すところでございます」
「分かればよろしい」
 そしてアーシャさんは、勝ち誇ったように微笑むのであった。
(はぁ……俺、この子、ちょっと苦手かも……つか、何か気に障るような事でもしたのだろうか、俺……)
 理由は分からないが、さっきから俺に突っかかってくるのである。
 と、そこで、アーシャさんの隣にいるティレスさんが、苦笑いを浮かべ、話に入ってきた。
「すまないな、コータロー君。アーシャは、念願の遺跡調査が出来るものだから、気分が高ぶっているんだよ」
「お兄様。そういう事じゃありませんわ。気の緩みが不測の事態を招くかもしれないから、私は言っているのです」
 アーシャさんは即座に言い返した。
 続いてヴァロムさんも。
「確かに、アーシャ様の言う通りじゃ。コータローよ。もう少し気を引き締めよ」
「はい、わかりました」
 まぁ確かに、俺がたるんでいるのは事実だから仕方ない。気を引き締めるとしよう。
 で、寝不足な理由だが……実は昨日、武器屋で買ったライトセーバーモドキを発動させて、何回も試し振りをしてたのが原因なのである。
 例えるならば、子供が念願の玩具を手に入れた時と同じようなものだろうか。もう嬉しさのあまりというやつだ。
 思わず、あのヴォンヴォンいう効果音を口で言ってしまいそうに……というか、既に言ってるし。
 以上の事から、昨日の俺は、『最高にハイってやつだ』的な感じになっていたので、今が寝不足気味というわけなのである。
 要は、アホな事してた俺が悪いのだ。
 ちなみにだが、ヴァロムさんは、俺のそんな行動を見て少し呆れ顔であった。多分、理解できないのだろう。
 というか、スターウ○ーズを知らないのだから、この反応は当然である。
 だがしかし!
 例え呆れられても、こればかりはどうしようもないのだ。
 だって、ニヤニヤしちゃう……ライトセーバーは俺の……いや、男のロマンなんだもん。
 話がだいぶそれたが、つまり、これが理由なのである。


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