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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv5  ミュトラの書
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が、イシュマリア王からも絶大なる信頼を得られているお方なだけあります」
「褒めても何も出ませぬぞ。それで、話というのは?」
「先程、オルドラン様は、ミュトラの書を見せてほしいとお父様に仰っておられましたが、あれは本当なのでしょうか?」
 ヴァロムさんは長い顎鬚を撫でながら言った。
「ええ、本当の事でございますな。まぁ断られるだろうとは思ってましたので、試しに言ってみただけにございます。それが何か?」
 すると、アーシャさんはそこで、周囲をキョロキョロと見回す。
 それから身を前に乗り出し、囁くような小さな声で話し始めたのである。
「……実は私、以前、お父様と一緒に、ミュトラの書が置かれている盟約の間に入った事があるのですが、その時、ミュトラの書を直に見たのです」
 アーシャさんの言葉に吸い寄せられるかのように、ヴァロムさんも身を乗り出した。
 釣られて、何故か俺も。
「で、どんな書物だったのじゃ? それと記述されておる内容は覚えておるのかの?」
「ミュトラの書は大きな石版でした」
「ほう、石版か。なるほど……。それで、内容は?」
 だがそこで、アーシャさんは姿勢を元に戻し、ニコリと微笑んだのである。
「オルドラン様。私と取引をしませんか?」
「取引? 一体何を言い出すのかと思えば、取引とはの」
「で、どうします。私、こう見えましても古代魔法文明に関心がありますので、多少の古代リュビスト文字は分かっているつもりですわ。ですので、ミュトラの書の記述を完全に解読するのは無理でしたが、記述してある文字だけはちゃんと控えてあるのですよ」
 ヴァロムさんは嬉しさと面倒くささが入り混じったような、非常に微妙な表情をしていた。
 まぁ無理もないだろう。実際、そうだし。
 しかし、この子……可愛いけど、ちょっと無茶しそうな感じがする。
 結構、食わせ者なのかもしれない。
「ふむ。なるほどの……ソレス殿下が悩む理由がわかったわい……。だがとはいうものの、儂も好奇心を抑えられぬ。というわけで、まず、アーシャ様が何を望んでおるのかを訊こうかの」
「オルドラン様は先程、イデア遺跡群に向かわれると仰いました。それに私も同行させて頂きたいのです。これが私の望みでありますわ」
「アーシャ様……それは幾らなんでも無理であろう。儂が許しても、父君であるソレス殿下がお許しなさるまい」
「そこをなんとか、お願いします。お父様も、オルドラン様からの申し出があれば、首を縦に振るかもしれませんから」
 アーシャさんは深く頭を下げた。
「しかしのぉ……弱ったのぉ……」
 ポリポリと側頭部をかきながら、ヴァロムさんは少し項垂れている。
 まぁこうなるのも無理はないだろう。
「どうか、お願いします」
 アーシャさんは、更に深く頭を下げた。
 ヴァロ
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