Lv5 ミュトラの書
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デア遺跡群じゃがな。あそこはイシュマリア誕生以前からある古代の遺跡なのじゃよ。イシュマリアが誕生したのが、今から約3000年前と云われておる。じゃから、それ以上の遥か昔の遺跡という事になるの」
「へぇ、古代の遺跡ですか……。で、そこに何か気になる物でもあるんですか? 魔物がいるような事を言ってましたけど」
寧ろ、それが問題であった。
俺は魔物と戦闘なんぞ、あまり……というか、全くしたくないのだ。
「……昨日、お主は、ラーの鏡やダーマ神殿について記述された書物を見たであろう」
「はい。所々が色褪せた古めかしい書物の事ですよね?」
「うむ。実を言うとだな、あれを見つけたのは、このマルディラントでなんじゃよ。前回、このマルディラントに来た時に、二等区域にある露店で見かけて購入した書物なのだ。で、その露店の主が言うには、出所はイデア遺跡らしくてな。なんでも、そこを荒らしていた者達から、買い取ったらしいのじゃよ」
「へぇ、そうだったんですか。じゃあ、相当に古い書物かもしれないんですね」
「だから、真偽を確かめねばならんのじゃ」
どうやらあの書物は、イシュマリア誕生以前の物である可能性が出てきたみたいだ。
(イシュマリア誕生以前ねぇ……俺達の所で言うならば、紀元前といったところか。ヴァロムさんはそこに拘ってる感じがするけど、その時代に何かあったんだろうか……まぁいい、話を聞こう)
ヴァロムさんは続ける。
「それとコータローよ。儂は昨日から、お主が言っておった御伽噺の事が、ずっと引っ掛かっておっての。じゃから、この機会に是非行ってみねばと思ったのじゃよ」
まぁ理由は分かったが、一つ問題がある。
「え〜と……ちなみにそれは、俺も行かないといけないんですか?」
「当然じゃ。お主が行かなくてどうする。儂は遺跡を見て、お主の意見を聞きたいのじゃからの」
即答であった。
(やっぱりか。はぁ……)
こう言われると断るのは難しそうだ。
仕方ない。覚悟を決めよう。
とはいえ、言う事は、言っておかねばなるまい。
「ヴァロムさん、行くのは分かりましたけど、この心許ない俺の装備は、どう考えても戦闘に向いてないんですが、何とかならないですかね」
これは当然の話だ。
ひのきの棒と現代日本の服、それとジェダイ風のローブだけで、そんな所に行きたくない。
できれば、それなりの装備をしてから向かいたいのである。
「ああ、それなら心配するな。暫くすると購入許可証が出るであろうから、その辺の事は儂が色々と世話をしてやるつもりじゃ」
「言っときますけど、俺は文無しなんですからお願いしますよ。それはそうとヴァロムさん。さっき、大いなる力を探索しているとか言ってましたけど、誰かから依頼でもされているんですか?」
「ああ、イシュマリア王か
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