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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv5  ミュトラの書
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な。儂も行ってみねば、それが分からぬのです」
「ふむ、そうか。まぁしかし、あの地は魔物が増えておるとはいえ、報告では弱い魔物ばかりだった筈。卿ほどの者ならば、まったく問題はなかろう。分かった。許可しようぞ。それら二つの許可証は、私の名で、すぐにでも発行させよう」
「ご無理を聞いていただき、ありがとうございます。ソレス殿下」
 ヴァロムさんは笑みを浮かべ、頭を垂れた。
「卿と私の仲ではないか。そう気にするでない。ところで話は変わるが、卿らはもう宿は決めておるのか?」
「いえ、まだにございます。マルディラントに着いてから、そのままこちらに向かいましたのでな。宿を探すのは今からでございます」
 宿……。
 確かにそうである。
 よく考えてみれば、このマルディラントは、ベルナ峡谷の住処まで日帰りできる距離ではないのだ。
 しかも、先程のやり取りを見ている感じだと、ヴァロムさんは数日ほど、この地に留まるつもりなのかもしれない。という事は、どうでも宿が必要になってくるのである。
 しかし、それももう解決できそうな気配だ。
(この展開はもしや……)
 俺がそんな事を考える中、ソレス殿下は口を開いた。
「そうか、ならば我が居城にて暫し泊ってゆくがよい。客間は空いておるのでな。それに卿の先程の口振りだと、今日や明日で帰るわけでもあるまい」
 どうやらビンゴのようだ。
「よいのですかな? 面倒を掛ける事になりませぬか?」
「ああ、構わぬ。それに卿とは久しぶりなのでな。個人的にもっと踏み込んだ話をしたいのだ。今宵は昔のように杯をかわそうではないか」
 そこでヴァロムさんは俺に視線を向ける。
「コータローよ、折角のお言葉じゃ。ここはソレス殿下のお言葉に甘えさせてもらおうか」
「はい、ヴァロム様」
「では、ソレス殿下。面倒を掛ける事になりますが、よろしくお願い致します」
「よいよい。さて、それでは、卿らも疲れておるであろうから、この辺で――」
 と、ソレス殿下が言いかけた時であった。
「お待ちください、お父様。まだ私の用事が済んでおりませんわ」
 隣のアーシャさんがそれを遮ったのである。
 今聞いた感じだと、結構、性格がきつそうな女性の口調であった。
 さっきソレス殿下は、男勝りなところがあると言ってたので、実際そうなのかもしれない。
「お、おお、そうであったな。すまぬ、アーシャよ。すっかり忘れておった」 
 アーシャさんは、オホンと咳払いをすると話し始めた。
「では、次は私の番です。オルドラン様、お疲れのところ申し訳ございませんが、お会いする機会がありましたら、是非、幾つかお聞きしたかったことがございましたので、暫しの間、お付き合い頂きたくございますわ」
「ふむ。で、何を知りたいのであろうか?」
「では、まず伝承に残る古
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