Lv3 修行
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えみたいなものがあるのですか?」
ヴァロムさんは机の書物に視線を落とすと、静かに話し始めた。
「ラーの鏡……。これについては伝わっているといえば伝わっておるが、どういう物なのかは、まだはっきりと分かっておらぬのじゃ」
「え? じゃあ、名前だけが伝わっているって事ですか?」
「身も蓋もない言い方じゃが、そういう事になるの」
(……変だな。お約束のように、真実を映し出す言い伝えでもあるのかと思ったのに……)
まぁいい、もう一つの絵について訊いてみよう。
「それじゃあ、こっちの神殿みたいな絵は何なんですか?」
「うむ。儂は今、そこに描かれておる神殿について調べておるのじゃよ。イシュマリア国の伝承には、こう語られておる。大いなる力を封じし古の神殿・ダーマとな」
「ダ、ダーマ神殿!?」
俺は思わず、声に出して驚いてしまった。
「むッ。お主、ダーマ神殿についても何か知っておるのか?」
また余計な事言ってしまったようだ。
もう言うしかないだろう。
「実は今のダーマ神殿も、ラーの鏡が出てきた御伽噺の中で出てきたんですよ。だから驚いたんです」
するとヴァロムさんは、前のめりになって訊いてきたのである。
「話すのじゃ。どんな話か聞きたい」
やっぱりこうなるよな。
よわったな、どういう風に説明しよう……。
ドラクエというゲームに出てくる職業安定所です、とは流石に言えないしなぁ。
仕方ない、とりあえず、ぼかしながら話しとこう。
「俺が読んだその御伽噺に出てくるダーマ神殿は、訪れた巡礼者の眠っている力を引き出してくれる神殿ってなってましたね。確か、そんなんだったと思います」
こんな言い方でいいだろう。
大局的に見れば、ドラクエでのポジションも大体こんな感じだったし。
「眠っている力を引き出す……」
だが俺の説明に何か思うところでもあるのか、ヴァロムさんはそこでまた黙り込んでしまったのだ。
まぁこの反応を見る限り、色々と考えさせられることがあったに違いない。
でも俺は、ラーの鏡とダーマ神殿が一緒に描かれている、こっちの古めかしい書物の方が気になった。
何故ならこの二つは、俺がプレイしたドラクエだと、それほど密接な関係性があったわけではないからである。しかし、この書物を見る限り、かなりその関係性を臭わせる絵の構図になっているのだ。
(ラーの鏡とダーマ神殿ねぇ……一体、どういう関係があるんだろう。気になるな……)
俺はそれを訊ねる事にした。
「あの、ヴァロムさん。俺、ここに書かれている文字が読めないんで分からないんですけど、ラーの鏡とダーマ神殿がここに描かれてるという事は、この二つには何らかの関係があるのですか?」
「ああ、それか。ここにはな、今言ったダーマ神殿の封印を解くのに、ラーの鏡が必要
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