Lv2 イシュラナの洗礼
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電撃の呪文か……)
どうやらこれを見る限り、そう言う事なんだろう。要するに攻撃用の呪文という事だ。
とりあえず、俺は意見を聞く為に、ヴァロムさんに視線を向けた。
するとヴァロムさんは信じられないモノを見るかのように大きく目を見開き、電撃で焼け焦げた岩へと視線を向けていたのである。
ヴァロムさんは小さな声でボソリと呟いた。
「ま、まさか……そんな馬鹿な……こ、この呪文は……」と。
明らかにヴァロムさんは動揺している感じだった。
(この反応はどういう事なのだろう……珍しい呪文なのだろうか?)
ヴァロムさんの様子が気になるが、俺はとりあえず、今の呪文の評価を訊くことにした。
「あの、ヴァロムさん……この魔法はこれでいいんですかね?」
「ン? あ、ああ。恐らく……問題ない筈だ」
どことなく歯切れの悪い返事であった。
この様子を見る限り、今の呪文に何かあるのは容易に想像できた。
(ヤバい呪文なのだろうか? しかし、電撃が走った以外、別段特筆すべきものが無い気もするが……。でも、デインて名前が引っかかるんだよな。もしかすると、ライデインとかギガデイン系列の初歩呪文なのだろうか?)
などと考えていた、その時であった。
突然、眩暈のような症状があらわれ、足元が覚束なくなったのである。
「あ、あれ……か、身体が」
立っていられなくなった俺は、ヘナヘナと地面に座り込んでしまった。
すると慌てて、ヴァロムさんが俺の傍に駆け寄ってきた。
「大丈夫か、コータロー。どうやら魔力を使いすぎたようじゃな。無理もない。お主は魔法を使える様になったというだけで、魔力はごく僅かじゃからな」
「や、やっぱり、それが原因ですか」
実を言うと、多分そうじゃないかなとは思っていたのである。
この症状は肉体的な疲労とは少し違うような気がしていたのだ。
「コータローよ。とりあえず、一旦、中へ戻ってから今の事を話そうかの」
「は、はい」
[V]
洞穴に戻った俺は、空洞の中心にあるテーブルへとヴァロムさんに案内された。
俺が席に着いたところで、ヴァロムさんは空洞の片隅にある水瓶の所へと向かった。
そして、木製のコップに水を満たし、それを俺の前に置いたのである。
「コータローよ。とりあえず、水でも飲んで心身を落ち着かせよ」
「はい、では頂きます」
俺はコップを手に取り、ゴクゴクと喉に流し込んだ。
清らかな感じの水が、俺の体内を潤してゆく。
一息入れたところでヴァロムさんは静かに話し始めた。
「……お主が得た魔法については大体わかった。じゃがの、魔法というのは、充実した魔力と強い精神力があって初めて使いこなすことができるのじゃ。じゃから、お主はこれから、その為の修練をせねばならぬな」
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