Lv2 イシュラナの洗礼
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の状態で授かった呪文を唱えるのじゃ。洗礼が上手くいったのならば、魔法が発動する筈じゃからの」
「は、はい」
現実に戻った俺は、とりあえず、よく知っている呪文から唱えることにした。
「え〜と、では行きます」
大きく深呼吸をした後、俺は右手を前方にある岩へ向ける。
そして、あの有名な呪文を唱えたのである。
【メラ!】
その直後、俺の手の前に20cm程の小さな火の玉が出現し、対象物目掛けて飛んで行ったのだ。
火の玉は目の前の岩に衝突して弾け飛び、炎の花を一瞬咲かせた後、霧散するように消えていった。
俺は素で驚いていた。
自慢するわけではないが、結構な威力があるように俺には見えたからだ。
ゲームでは序盤を過ぎたら使わなくなる呪文だが、これを見る限り、人に大火傷させることは十分可能なように思えたのである。とはいえ、あくまでも一般人ならばだが……。
と、そこで、ヴァロムさんの唸るような声が聞こえてきた。
「むぅ……一度目で魔法をちゃんと発動させたか。やるのう……。よし、では次の呪文を唱えよ」
俺は無言で頷くと、先程と同じように右手を前に出して、もう一つのよく知る呪文を唱えた。
【ホイミ!】
しかし……効果は現れなかった。突き出した手の前に、優しい光が出現した以外、特に変化が無かったのだ。
まぁ怪我をしているわけでもないから、この結果は当然といえば当然である。
俺の知る限り、ゲームにおけるこの呪文の効能はHPの回復だからだ。
だが、とはいうものの、成功したのかどうかがよく分からないので、判断が難しいところであった。
ヴァロムさんの声が聞こえてくる。
「ふむ。まぁその呪文は、今の光を見る限り成功じゃな。多分、大丈夫じゃろう。本当は怪我でもしているところにやってみるのが一番なんじゃが、わざわざ確認の為に、怪我するのも馬鹿げておるからの」
「ほ、本当ですか? 良かった」
それを聞いて俺は少しホッとした。
実は効果を確認する為に、体に傷をつけろと言われるかが内心不安だったのである。
「ではコータローよ。三つ目の呪文を唱えて見よ」
「はい」
俺は少しドキドキしていた。
なんせ初めて知る名前の呪文なので、一体どんな効果があるんだろうと、さっきから気になっていたからである。
というわけで、俺は早速、その呪文を唱えてみる事にした。
俺は大きく深呼吸をして心を落ち着かせる。
そして、先程と同じように右手を前に出して、呪文を唱えたのである。
【デイン!】
と、その直後であった。
俺の右手がスパークし、前方の岩に向かって電撃が一直線に走ったのだ。
それはまるで、スターウ○ーズにでてきたシスの暗黒卿が使うフォースの電撃のようであった。
(こ、これは……
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