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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv2  イシュラナの洗礼
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はフッと意識を手放したのであった。


   [U]


 どれくらい時間が経過しただろうか……。
 次に俺が目を覚ました場所は、魔法陣のあった洞穴ではなく、ヴァロムさんの住処であった。
(いつの間に、ここへ移動したのだろう? それに、なんか頭の中がはっきりとしない……)
 俺はモヤモヤとした脳内を少し整理する事にした。
 すると時間が経つにつれ、あのイシュラナの洗礼の事が次第に蘇ってきたのである。
 もしかすると、俺はあの洗礼の後、気を失ったのかもしれない。
 なぜなら、洗礼の途中で意識が薄れてゆく感覚があったのを少し覚えているからだ。
 恐らく、俺が気を失ったので、ヴァロムさんが運んでくれたのだろう。
 またヴァロムさんに迷惑をかけてしまったようである。とりあえず、後で謝るとしよう。
 目が覚めた俺は、とりあえず、体を起こす事にした。
 即席で作った固いベッドで寝ていた所為か、その時、ズキンと背中に少し痛みが走る。
(いたたた……岩の上に木の板を敷いただけのベッドだから、そりゃ、こうなるわな……)
 できれば柔らかくてクッション性のあるベッドや布団で寝たいが、ヴァロムさんの話を聞いた感じじゃ、この世界の文明レベルはかなり低いようだ。
 要するに、ドラクエの世界観の根幹をなす、中世的な文明社会なのである。
 この地で、現代日本のような生活を期待する方がおかしいのだ。
 貴族でもないと、それに近い生活は出来ないに違いない。
 まぁそれはさておき、起き上がった俺は背中をさすりながら、周囲を見回した。
 すると、壁際に置かれた机に向かうヴァロムさんの姿が、視界に入ってきた。
 どうやらヴァロムさんは今、本を読んでいる最中のようだ。
 読書中で悪いが、俺はヴァロムさんに声を掛ける事にした。
「あ、あのヴァロムさん。ちょっといいですか?」
 ヴァロムさんは俺に振り返り、穏やかな笑顔を浮かべた。
「お、気が付いたようじゃな。心配したぞ。洗礼の途中で、お主が突然倒れたのだからの」
 予想通りであった。
 やはり俺はあの時、気を失ったのだ。
「そうだったのですか……。実は俺もそうじゃないかとは思ったんです。洗礼の途中で意識が薄れてゆくのを感じたもんですから」
「実はな、儂も驚いたのだ。今までイシュラナの洗礼に立ち会う事は何回もあったが、気を失う者なぞ誰一人としていなかったからの」
 気を失う者がいなかったという事は、どうやら俺はかなり駄目な部類に入るのかもしれない。
 今のヴァロムさんの言葉を聞いて、俺は少し残念な気分になった。
「と、という事は……洗礼は失敗したという事なんでしょうか?」
 だがヴァロムさんは頭を振る。
「いや、それはまだ分からぬ。肝心なのは、先程の洗礼で、初歩の呪文を得られたかど
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