第一章 竜を探求する世界より、愛を込めて
Lv1 目覚めの地
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ント?
どこかで聞いた事がある名前であった。
男は立ち上がり、化け物に向き直る。
と、その直後!
化け物は両手を広げると共に、素早い動きで、俺達に向かって襲い掛かってきたのである。
それは恐ろしいほどのスピードであった。
(こ、これはやばいッ! 食われるぅぅぅ)
俺は恐怖心から、無意識のうちに座ったまま後ずさった。
だが慌てる俺とは対照的に、目の前の男は非常に落ち着いたものであった。
男は迫り来る化け物を見据えながら腰に手を伸ばすと、そこから先端に虹色の宝石が嵌め込まれた、白く美しい杖のような物を取り出した。
そして、杖の先を化け物へ向け、ボソリと呟いたのだ。
【メラミ】と。
俺は驚愕した。
「なッ! んなアホなッ!?」
なぜなら、杖の先から直径1mはあろうかという、巨大な火の玉が現れたからである。
そして次の瞬間、その火の玉は、化け物めがけて一直線に飛んでいったのだ。
火の玉は化け物に命中し、花火のように爆ぜた。
すると瞬く間に、化け物の全身に、火の手が燃え広がっていったのである。
【ウガァァァ!】
化け物は悲鳴のような雄たけびを上げると、火達磨になりながらもがき苦しむ。
それから数十秒ほどすると、事切れたのか、地面に横たわりピクリとも動かなくなった。
どうやら死んだのだろう。
俺は今の一連の出来事についていけない為、口をあんぐりとあけながら、ただそれらの事象を見ているだけであった。
と、そこで男は俺に振り返り、何事も無かったかのように、こう告げたのである。
「さて、では行こうか」と。
俺は身体を震わせながら無言で頷く。
そして訳が分からないまま、この男に連れられて移動を開始したのであった。
[U]
あれから移動する事、約5分。
俺は男に連れられて、とある岩山の一画にある穴の中へと案内された。
たった5分程の移動であったが、俺はこの地の険しさというものを少し体験した。
実はここに来るまでの道中、化け物には遭遇しなかったのだが、岩山が険しかった為、俺は転んで腕を少し擦りむいてしまったのだ。
おまけに結構高い場所を進んできたので、高所恐怖症の俺からするとヒヤヒヤもんだったのである。
普段こういう場所とは縁のない生活を送ってきたので、こればかりは仕方ないだろう。
大きな怪我はなく辿り着く事が出来たのを喜ぶべきなのかもしれない。
なので、俺はそれについても少しホッとしているところなのである。
まぁそれはさておき、穴の中は自然にできたであろう、ドーム状の空洞といった感じであった。
床は円と言っていいくらいに丸い形状で、直径10m程ありそうな感じの広さだ。それなりに広い居住空間である。
また、周囲が固
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