0117話『古鷹の着付け』
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それで古鷹は嬉しそうに頬を赤く染める。
だけどそこでやっと加古も現実に戻ってきたのか、
「うわー! うわー! 古鷹、とっても可愛いよ!」
どうも少し暴走気味で古鷹の肩を掴んで何度も揺すっていた。
それで少し困り顔の古鷹が、
「か、加古。落ち着いて……浴衣がほつれちゃうから」
「あ、ごめん……。でも本当に似合っているから見惚れちゃったよー」
「ありがと、加古」
加古の素直な感想に古鷹も嬉しそうに表情を綻ばせていた。
しかし、いったいどうして今こんな格好をしているのだろうか……?
私はそこが疑問になったので古鷹に聞いてみることにした。
「古鷹。どうして浴衣を今着ているんだ? なにか祭りが予定でもあったか……?」
「えっ? 提督はご存知じゃないんですか? 今週末にいつもの町で小規模ですけど花火大会が行われるんですよ。それで今から予行のために着付けの練習をしていたんです」
「そうだったのか……」
それで私も思い出す。
そういえば回覧板にそんな事が書かれたいたなと。
任務の資料と一緒になっていたから思わず忘れそうになっていたな。
「そういえばそんな広告記事が資料の中にあったよ」
「でしょう? ですから提督も一緒に行きませんか?」
「まぁ……今週末ならまだ大規模作戦は行われていないから大丈夫だと思うよ」
「よかった。他にも一緒に行きたいって子が何人もいるんで喜ぶと思います」
「まぁそれはいるだろうな。ただでさえうちの鎮守府は200人以上はいるんだから不思議じゃないし。今のうちに楽しんでおきたいんだろうな」
「だと思います。それと多分ですけど花火大会の件でそろそろ町から警備の要請が来ると思うんです。だからその前に私は祭りに行くっていう話をしておこうと思いまして……」
それで古鷹は舌を出して照れていた。
確かに事前に言っておいてくれればシフトから外すのもありだな。
そうだな。他のみんなにも予定を聞いておくか。直前で言われて花火大会の警備でいけないと騒がれても後で非難を浴びそうだし。
「古鷹の言い分はわかった。それじゃ今日中に花火大会に行くメンバーの名前を名簿を作成して私に渡してくれ。今のうちに予定を立てておけば警備に出せるメンバーも選びやすいし」
「わかりました」
それで古鷹の話は終わりなのだろう。加古と楽しく談笑している。
だけどそこで誰かが部屋の中に入ってきた。
「あやや。古鷹さん、また珍しい格好をしていますね」
「本当ね。なに? 祭りにでもいく準備? それならこの衣笠さんも混ぜてよ」
「あ。青葉に衣笠……」
うん? この展開はもしかして……。
「それじゃせっかくですから古鷹さんの浴衣の撮影会でもしましょうかね!」
「いいんじゃない?」
「
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