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夜のパトロール
第三章
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「例え何人いてもね」
「だからですか」
「パトロールしたら駄目ですか」
「そうなんですか」
「うん、君達がパトロールをするのなら」
 それならというのだ。
「私達がするよ」
「お巡りさんがですか」
「そうされるんですか」
「それが私達の仕事だからね」
 それでというのだ。
「ここは任せてくれるかな」
「不審者を掴まえてくれるんですか」
「そうしてくれるんですね」
「そうするよ、だから君達はすぐに家に帰るんだ」
 そうしろとだ、お巡りさんはまた静香達に言った。
「いいね」
「はい、わかりました」
「それじゃあ」
「パトロール止めて」
「お家に帰ります」
「不審者は必ず捕まえるからね」 
 こう言ってだ、お巡りさんは静香達を家に帰らせた。そしてだった。
 静香達はとりあえずはお巡りさんの言葉を信じることにした、幸いにしてこのお巡りさんは誠実で勤勉なまさに警官の鑑とも言うべき人だった。
 それでだ、不審者の情報提供を署を通じて掲示板やネットで大々的に頼みそのうえでパトロールを徹底させて。
 遂にある小学校に忍び込もうとしている一人の少年を見付けた、そしてその少年に声をかけて交番まで同行を願って話を聞くと。
 この少年がその不審者だった、愉快犯であちこちの学校に悪戯をしていたのだ。静香達にとって幸いなことに生きもの達には全く興味がなくそれはおそらくこれからもであった。
 少年は程なく然るべき処分を受けることになり事件は解決した、この顛末を聞いてだった。
 静香は学校で笑顔でだ、クラスメイト達に話した。
「よかったわね」
「ええ、事件が解決してね」
「お巡りさんが約束してくれた通りにね」
「そうなってね」
「本当に良かったわね」
「無事にね」
「活きもの達に何もなくてよかったわ」
 動物好きの静香はとにかくこのことを喜んでいた。
「本当にね」
「その通りよね」
「このことはね」
「学校の鶏とか兎とか」
「教室のお魚とかね」
 特に小学校で多い。
「何もなくてね」
「そうならないうちに掴まってね」
「そこまで悪い奴じゃなかったみたいだけれど」
「今からね」
「本当によかったわ、動物に何かあったら」
 静香は今日は猫の頭が付いたシャーペンを持って来ている、そのシャーペンを見ながら皆に話した。
「そう思うだけで辛いから」
「動物好きの静香ちゃんとしては」
「そうよね」
「今回これで終わってね」
 本当にというのだ。
「よかったわ、出来ればどの生きもの特に猫ちゃん達が」
「幸せに」
「そう思うのね」
「ええ、そう思うわ」
 実際にとだ、静香は友人達に言った、そうして自分で買って使っている猫のシャーペンを見て愛し気に笑ったのだった。大好きな猫達のことを思いながら。
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