第二章
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「不審者は」
「そう言われてもね」
「具体的にはね」
「どうしたらいいかしら」
「困るわね」
「そうよね」
「私一人でナイフとかスタンガンとか言ったから」
静香は友人達の言葉から述べた。
「だったらね」
「だったら?」
「だったらっていうと?」
「どうなの?」
「いえ、ここはね」
静香は友人達に自分が閃いたことを話した。
「皆で夜にパトロールしない?」
「それで不審者を探すの」
「そうするの」
「そう、皆が手に手に武器を持って」
ナイフやスタンガンからの言葉だ。
「そうして不審者を探し出して」
「そうしてっていうの」
「不審者を見付けたらやっつける」
「そして警察に突き出すの」
「そうしましょう、バットや竹刀や木刀だったら誰でも持てるし」
静香が考えた武器はこうしたものだった。
「何人かで見回っていたら」
「そうね、安全ね」
「一人じゃ危なくてもね」
「皆ならね」
「大丈夫なのは事実ね」
「だからね」
それでというのだ。
「いいかもって思ったけれどどうかしら」
「ええ、そうね」
「それならいいかもね」
「じゃあ皆で夜の街をパトロールして」
「そうして不審者を見付け出して警察に突き出しましょう」
皆でこう話してだ、実際にそれぞれ家や部活からバットや竹刀や木刀挙句はスタンガンまで持ってだった。
夜のパトロールに出た、しかし一日目でだった。
たまたま通りがかった交番の前でだ、お巡りさんに呼び止められた。
「君達こんな夜に何をしているんだ」
「はい、パトロールです」
「最近不審者が出るって聞いたので」
「それで色々な学校を荒らしてるらしくて」
「学校の生きものをいじめだしたら大変なんで」
「そうならないうちに見付けてやっつけるんです」
「そうして警察に突き出します」
こうお巡りさんに話した、すると。
お巡りさんはすぐにだ、静香達に咎める顔で言った。
「その気持ちはいいけれど駄目だ」
「えっ、駄目ですか?」
「そうなんですか?」
「理由はどうあれ女の子が夜の街を出歩いたら危ないからね」
だからだというのだ。
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