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スーパーロボット大戦OG〜泣き虫の亡霊〜
第三話 伊豆、到着
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「了解しました。それに関連しての提案なのですが」
「何だね?」
「シュルフツェンのテストパイロットにライカ・ミヤシロ中尉を選びたいのです」

 何だか雲行きが怪しくなってきた。
 レイカーの手前、あまり勝手な発言も出来ないので、黙って見ていることしか出来ないのが悔しかった。

「彼女は初搭乗でシュルフツェンを乗りこなしました。彼女には、『CeAFoS』完成を手伝って頂きたいのです」

 完全にやられた。ライカはメイシールの言葉を思い出す。――『私が貴女を呼んだの』。
 全てはこのためだったのだ。

「……と、彼女は言っているが中尉、君はどうかね?」

 この状況でそれを聞かれるとは。ライカはとりあえず冷静になり、この場を見直す。
 ここに居るのは自分よりも二つは上の階級のみ。しかも、自分のプロジェクトに勧誘しているときた。
 ならば、もう答えは一つしかない。

「自分に出来るのであれば、全力で取り組む所存であります」

 “諦めるしかなかった”。
 第一、メイシールが付いてきた時点でライカの負けは決まっていたのだ。

「あら嬉しいことを言ってくれるわね。では早速ですが司令、中尉を例の作戦に参加させても?」
「ああ、構わない。だが、忘れないでおいてもらおう。君のシステムは公には出来ない代物だ。結果を出せなければ開発は即打ち切りとなる。最悪、第二の『バルトール事件』を引き起こすかもしれない物にいつまでも貴重な予算は割けないのでな」
「ええ、分かっていますとも」
(…………)

 司令室から出る瞬間に見せたメイシールの曇った表情は、恐らく気のせいではなかったのだろう。


 ◆ ◆ ◆


「……完璧に逃げ道を塞いでからのトドメとは本当に嫌らしいですね」

 司令室を後にしたライカとメイシールは廊下を歩いていた。
 先ほどのお返しの意味も込めて、ボソリとメイシールに対して攻撃をしてみたが、肝心の彼女は反応せず。

「貴女なら気づいていたんでしょう? 『CeAFoS』の最悪の事態を」

 代わりに返ってきたのは質問だった。

「はい。あのシステムは有人ではなく無人向けのモノだと思います。……人間が扱えれば新兵でもたちまちエースになれるのは間違いないんでしょうけど」
「そうね。分かってる。……だけど、そうはしない、いやさせない。そうじゃなきゃいつか異星人にやられてしまうもの……!」
「……少佐?」

 ただでさえ小さいメイシールの背中が、尚更小さく見えた。彼女の放つ空気をライカは知っている。
 目的を達成しようとするマイナスのやる気。暗い、ひたすら暗い方へ向かっていく者の空気だ。

「ライカ、司令室で言ったことは本当よ。貴女とシュルフツェンの相性は私の知る限りで過去最高
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