581部分:第四十五話 魏延、一目惚れするのことその十三
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第四十五話 魏延、一目惚れするのことその十三
「あの許緒に負けない位食べるのだ」
「あいつは凄かったな」
それは確かにだと。頷いて応える馬超だった。
「何処まで食うのかって言う位だったな」
「全くなのだ。今度会ったら絶対に勝つのだ」
「ああ、絶対に勝とうぜ」
「そうするのだ」
何故か話の展開はそちらになった。だが志があるのは確かだった。
とにかくそんなことを話しながら先に進んでいく。そしてその許昌ではだ。
崇雷がだ。許緒に対して尋ねていた。彼女の前には巨大な丼がありそこにラーメンやチャーシューや葱がこれでもかと入っていた。
彼女はそれを満足した顔で食べている。その彼女に問うていた。
「どうだ?美味いか?」
「うん、美味しいよ」
笑顔で答える彼女だった。箸がひっきりなしに動いている。
「とてもね」
「量はどうだ?」
「もう一杯あるかな」
「ああ、あるぞ」
それは大丈夫だというのだった。
「安心しろ」
「そう。じゃあもう一杯ね」
「食べたらすぐに出すからな」
「うん。崇雷ってそれにしても」
「それにしても。何だ?」
「料理上手いんだね」
彼女が言うのはこのことだった。
「技だけじゃなくて」
「料理には自信がある」
実際にそうだと話す彼だった。
「将来は店を持つのが夢だ」
「うん、崇雷だったら大丈夫だよ」
「まずは屋台からだな」
「そこからなんだ」
「弟と二人でやるつもりだ」
「崇秀とだね」
「それでいいな」
見れば隣にその彼がいた。そうして話を振るのだった。
「二人でな」
「わかってるよ、兄さん」
崇秀も微笑んで応える。
「それじゃあね」
「四川料理をメインでいくか」
崇秀の好みを考えての言葉だった。
「そうするか」
「いや、むしろ」
「むしろか」
「広東料理の方がいいかな」
それがいいというのである。
「むしろね」
「そちらか」
「広東料理の方が人気があるしね」
それでだというのである。実際に彼等の生きている時代の中国では広東料理の方が人気がある。それでこう話をするのだった。
「だからそれにしよう」
「そうか、わかった」
崇雷は弟の言葉に頷いた。
「ならそうするか」
「うん。ところで兄さん」
今度は弟の方から兄に問うた。
「今のラーメンだけれど」
「これか」
「うん、そのラーメンはスープは何かな」
「トリガラだ」
それだというのである。
「それで味付けは醤油だ」
「広東じゃないね」
「オーソドックスなものにした」
そうしたラーメンだというのであった。それでだ。
許緒にだ。あらためて問うのだった。
「それでいいな」
「美味しかったら何でもいいよ」
これが彼女の返答だった。
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