最終章:夢を追い続けて
第54話「自分勝手」
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Sを使う以外にも、生身で行動するための武器を持っていた。...まさか、このタイミングで使う機会が回ってくるとは思わなかったが。」
「な、生身で...。っ....。」
唯一専用機を持っていない静寐が、渡されたハンドガンを恐る恐る持つ。
いつもはISを介して武器を触っているので、その重さに少し怯えていた。
ちなみに、専用機を持っていない静寐がなぜラウラ達と同行しているかと言うと、一時期秋十に鍛えられていたからと言う点で、信用に価するためらしい。
「ああ。...使い方はISの実弾武装と変わらん。...だが、忘れるな。これは、人を軽く殺す事ができる武器だと。」
「....いつもはISが守ってくれてましたものね....。」
改めて今まで使っていた武装は恐ろしいものなのだと、皆は自覚する。
「...敵のほとんどが銃を持っている。気休め程度にしかならんが...。」
「それでも、やるしかないよ...。」
辺りの様子を伺いつつ、ラウラとシャルロットはそういう。
「精神的に厳しいかもしれんが、いざとなったら...殺せ。」
「っ.....。」
「相手はテロリスト。今は自分の身を守るのが優先だ。命を奪う事に躊躇っていては、そこに付け込まれるぞ。」
この場を切り抜けるため、敢えて厳しい現実を突きつけるラウラ。
「お前たちは二人以上で固まって行動しろ。常に周りを警戒し、背後は取られるなよ。そして、見つからない限り極力仕掛けるな。」
「...どうするつもりなの?」
「悠長に隠れている時間はない。他が人質に取られているだろうからな。だから、できる限り隠れて進み、敵のリーダー格を速やかに討ち取る。」
何度か辺りを伺い、行動の方針を決めたラウラ。
「それは...。」
「厳しい事は分かっている。私達自身は、いざと言う時はISで身を守れるが、人質がどうなるかは...。だとしても、このまま隠れている訳にもいかんだろう。」
「....そうだね...。」
“待つ”だけでは、何も変わらない。
何か行動を起こさなければいけないと、シャルロットは同意した。
「では...行くぞ。....走れ!」
「っ.....!」
ラウラの声を合図に、気配を押し殺して走り出す。
先頭にラウラが就き、次に物陰へとすぐに移動する。
「...よし。後ろはどうだ?」
「...人影は見られない...。多分、大丈夫。」
最後尾に簪が就き、背後の警戒を担当する。
仮にも更識家の者。多少の索敵は可能なのである。
「ラウラ、人質がいそうな場所。もしくはリーダー格がいそうな場所に、心当たりはあるの?」
「ない...が、生徒と教師の人数を合わせれば
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