暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第54話「自分勝手」
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跳んで躱し、反撃に足を撃って機動力を奪う。
 そのまま膝を落とし、昏倒させる。

「(まずは、誰かと合流しないと...!)」

 行動が遅れたと、マドカは悔やむ。
 既に学生寮に籠っていた生徒たちはほとんど連れ去られた。
 マドカが残っていたのは、少しでも時間を稼ごうと隠れていたからだ。

「(桜さんの襲撃以来、武器の携帯が許されてて良かった...。)」

 今マドカは、護身用に持ち歩いているナイフを持っていた。
 これを使わなくとも十分強いが、それでもあるのとないのでは大きく違う。
 また、なのはに貸してもらっていた木刀も持っていた。

「ぐあっ!?」

「はぁっ!」

 すると、一つの壊れた扉から男が飛び出し、そこに蹴りが叩き込まれた。
 その蹴りを放ったのは...。

「シグナム!」

「む、誰かと思えばマドカか。」

 シグナムだった。
 どうやら、シグナムは外の状況が変わったのを見計らい、部屋を探っていた男を吹き飛ばしたらしい。

「他の人は?」

「分からん。...が、ほとんどは連れていかれただろう。」

「ラウラとかは大丈夫そうだけどね...。」

 とりあえず、とマドカはシグナムに木刀を渡しておく。

「確か、ラウラ達は学生寮から見回りのために離れていたはず。だから、捕まってないかもしれない。とにかく、私達も誰かと合流しよう。」

「そうだな...。....っ!」

 学生寮内を駆けながら、二人はそんな会話をする。
 すると、目の前に男が立ち塞がった。

「動くな!てめぇら...やってくれたな...!」

「人質...!」

 男が銃を突き付けているのは、逃げ遅れたのであろう本音だった。

「本音!簪は...。」

「か、かんちゃんなら別行動してたから...あうぅ。」

「喋るんじゃねぇ!」

 “ぐりっ”と銃口を頭に押し付けられ、本音は喋るのを止められる。

「くそっ...卑怯な...!」

「こんなテロリスト共に卑怯も何もないよシグナム。」

「うるせぇ!...てめぇら、大人しくしろよ?こいつがどうなってもいいのか?」

 人質があるからか、余裕そうな男に、マドカは溜め息を吐く。

「おい...マドカ?」

「....本音、やっちゃっていいよ。」

「あ、いいの〜?」

「なっ...!?」

 瞬間、本音は力を抜き、スルリと男の拘束を抜け出す。
 同時に、肘を腹へと打ち込み、その痛みで下がった顎に掌を当てる。
 まさに一瞬の出来事。その一瞬で、本音は男を戦闘不能まで追いやった。

「いやぁ、下手に動いたら危ないかなぁって思って〜。」

「もうこの階には私達しかいなさそうだから、遠慮
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