最終章:夢を追い続けて
第54話「自分勝手」
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
跳んで躱し、反撃に足を撃って機動力を奪う。
そのまま膝を落とし、昏倒させる。
「(まずは、誰かと合流しないと...!)」
行動が遅れたと、マドカは悔やむ。
既に学生寮に籠っていた生徒たちはほとんど連れ去られた。
マドカが残っていたのは、少しでも時間を稼ごうと隠れていたからだ。
「(桜さんの襲撃以来、武器の携帯が許されてて良かった...。)」
今マドカは、護身用に持ち歩いているナイフを持っていた。
これを使わなくとも十分強いが、それでもあるのとないのでは大きく違う。
また、なのはに貸してもらっていた木刀も持っていた。
「ぐあっ!?」
「はぁっ!」
すると、一つの壊れた扉から男が飛び出し、そこに蹴りが叩き込まれた。
その蹴りを放ったのは...。
「シグナム!」
「む、誰かと思えばマドカか。」
シグナムだった。
どうやら、シグナムは外の状況が変わったのを見計らい、部屋を探っていた男を吹き飛ばしたらしい。
「他の人は?」
「分からん。...が、ほとんどは連れていかれただろう。」
「ラウラとかは大丈夫そうだけどね...。」
とりあえず、とマドカはシグナムに木刀を渡しておく。
「確か、ラウラ達は学生寮から見回りのために離れていたはず。だから、捕まってないかもしれない。とにかく、私達も誰かと合流しよう。」
「そうだな...。....っ!」
学生寮内を駆けながら、二人はそんな会話をする。
すると、目の前に男が立ち塞がった。
「動くな!てめぇら...やってくれたな...!」
「人質...!」
男が銃を突き付けているのは、逃げ遅れたのであろう本音だった。
「本音!簪は...。」
「か、かんちゃんなら別行動してたから...あうぅ。」
「喋るんじゃねぇ!」
“ぐりっ”と銃口を頭に押し付けられ、本音は喋るのを止められる。
「くそっ...卑怯な...!」
「こんなテロリスト共に卑怯も何もないよシグナム。」
「うるせぇ!...てめぇら、大人しくしろよ?こいつがどうなってもいいのか?」
人質があるからか、余裕そうな男に、マドカは溜め息を吐く。
「おい...マドカ?」
「....本音、やっちゃっていいよ。」
「あ、いいの〜?」
「なっ...!?」
瞬間、本音は力を抜き、スルリと男の拘束を抜け出す。
同時に、肘を腹へと打ち込み、その痛みで下がった顎に掌を当てる。
まさに一瞬の出来事。その一瞬で、本音は男を戦闘不能まで追いやった。
「いやぁ、下手に動いたら危ないかなぁって思って〜。」
「もうこの階には私達しかいなさそうだから、遠慮
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ