ペルソナ3
1776話
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のだから、不法にこの国にいるのも間違いのない事実だ。
「ま、どうでもいい。俺はきちんと家賃を貰えれば、それでいいしな。……このルビーを売った分の金で家賃を支払って、足りなくなったらまた連絡するって事でいいか?」
「ああ、それで構わない」
書類に携帯の番号を書いて、簡単な手続きは終わる。
「真次郎、お前が案内してやれ。ほら」
男が鍵を荒垣に投げると、それを受け取った荒垣は不満そうな表情を浮かべる。
「俺が?」
「ああ。お前のダチなんだろ? なら、俺が案内するよりお前が案内した方がいい。それに……俺はこの後、人と会う約束があるからな」
「ったく、分かったよ」
不承不承ながら荒垣が頷き、俺達は半ば追い出されるように店を出る。
「ほら、こっちだ。……この辺りは、あまりうろつきたくねえんだけどよ」
「悪いな」
「ふんっ、アルマーを紹介したのは俺なんだ。このくらいは、しょうがねえさ」
何だかんだと言いつつ、やっぱり荒垣は面倒見がいいよな。
……まぁ、これで『お前の為にやったんじゃないんだからなっ!』とか、ツンデレになったらちょっとどうかと思うが。
男のツンデレなんて、誰得だよって話だし。
そういう意味で言えば、ゆかりはツンデレっぽい感じがしないでもないんだよな。
ともあれ、俺は荒垣に案内されるままに移動する。
巌戸台駅から歩くこと、20分くらい。
到着したそこは、築30年以上と言われれば納得出来るだけの古い建物だった。
駅前までも歩いて20分と、それなりに遠いし、建物自体も古いだけじゃなくてそこまで大きくない。
そう考えれば、やっぱりこういうアパートに住むのは訳ありなんだろうな。
シャドウミラーの面々が、俺がこういうアパートに住むと知ったら、何て言うのやら。
ちょっと気にならないでもない。
ただ、レモン達と同棲するには、間違いなく狭いだろうが。
そもそも、寝室ですら巨大なベッドが必要になるのを考えると、このアパート全てを俺の部屋という事にでもしない限りは……ああ、いや。いっそ部屋にゲートシステムを備え付けて純粋に玄関代わりと考えれば……
「ま、どのみち今言ってもしょうがないけどな」
「うん? どうした?」
思わず声に出てしまった言葉に、荒垣が反応する。
「いや、何でもない。ただ、ちょっと予想以上に凄い建物だったから、驚いただけだよ」
「あー……まあな。それよりほら、行くぞ」
そう言った荒垣が俺を連れて向かったのは、アパートの1階の中間くらいにある部屋だった。
築30年以上でも一応鍵はあるらしく、荒垣がさっき受け取った鍵で扉を開ける。
「ほら入れ。……何だか、色々と凄い場所だな」
荒垣と共に部屋の中に入ると、俺
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