ペルソナ3
1776話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れで、どんな場所なんだ? ここに呼び出したって事は、巌戸台にあるのか?」
「ああ。けど、電話でも言ったが築30年以上の建物だからな。かなり古い」
「分かってる。それは別にいいさ。取りあえず眠れるような場所なら問題はない」
「そうか。なら安心だな。……あそこの店だ」
そう告げた荒垣が視線を向けたのは、路地裏の方にあるかなり小さい建物。
……それこそ、築30年ってのはアパートじゃなくてあの建物じゃないかと思うくらいの場所だ。
「なぁ、一応聞いておくけど、あの建物がお前の言ってたアパートじゃないよな?」
「違う。あの建物の住人がアパートの大家なんだ。言っておくが、くれぐれも妙な真似はするなよ。俺達の中でも世話になってる人は結構多いんだからな」
俺達、ね。
だとすると、恐らくこれから会う奴も元不良でポートアイランド駅の裏側が出身地とか、そんな感じになってそうだな。
荒垣と共に、その店の扉を開けて中に入る。
「おう、来たか」
店の中に入ってきた俺と荒垣を迎えたのは、そんな声。
そこにいたのは、やはりというか俺の予想通りというか、40代程の強面の男だった。
強面という意味では荒垣も相当なものだが、店の中にいたのは、それこそヤクザ? と言いたくなるような男。
何しろ、顔には幾つもの傷跡がある。しかも、明らかに刃物によって出来た傷だと認識出来るような、そんな傷だ。
恐らく何も知らない子供がこの男を見れば、泣き出してしまうんじゃないだろうか。
体格も荒垣より上なのは、こうして座っているのを見れば分かる。
「おう、荒垣。そいつがアクセル・アルマーか?」
「はい。……アルマー、こちらがお前が入るアパートのオーナー、伊達さんだ」
「よろしく頼む」
「はっ、俺を見てその態度を取れるってのは、中々腹が据わってるな。気に入った」
がっはっは、という表現が似合うような豪快な笑い声を発する男……伊達だが、俺にしてみれば顔が多少怖い程度でどうした? というのが正直なところだ。
今まで俺が戦ってきた相手は、それこそ顔が怖い相手も多くいる。
……先代の修羅王なんか、伊達とは比べものにならないだけの迫力だったし。
「気に入ったが、だからって贔屓をする訳にはいかねえ。家賃を滞納したら、すぐに叩き出すからな。それでもよければ、部屋を貸してやる。……どうする?」
「そうだな、なら、取りあえずこれは前金だ。これで足りなくなったら、また言ってくれ」
そう告げ、ポケットから出したように見せかけつつ、空間倉庫からルビーを取り出す。
そこまで大きくはないが、それでも決して安物という訳ではない。
少なくても数十万はするだろう代物。
出すところに出せば、それより金額が上になってもおかしくは
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ