黒と白
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ないよ。」
大人の女性とはこんなにも美しいのかと女性の私でも見惚れていた。
その後、私はダイシーカフェに入り椅子に座った。
「ごめんね、遅くなって…」
私以外は全員来ていた。
それもそのはず、本来の待ち合わせ時間はとっくに過ぎている。
「いや、大丈夫だ。」
この場にいるのは、キリトくん、リーファちゃん、リズ、シリカちゃん、クラインさん、エギルさんだった。
──あれ、一番ここに居るはずのシノのんの姿が…
「ねぇ、キリトくん。」
「…ん?」
「シノのんは?」
「……………。」
私の問に言葉を詰まらせるキリトくん。
私は疑問に思い皆を見るが、皆顔を伏せる。
「……シノンは、帰ってきてない……」
「……え?」
キリトくんがポツポツと話し始めた。
「この世界に戻ってきてないプレイヤーが、約150人いるのはアスナも知ってるよな?」
「えぇ……、まさか……!」
キリトくんは顔を伏せたまま、静かに頷いた。
「……シノンはまだ戻ってきてない、そしてシノンと同じように合ってる人達も『ALO』内で閉じ込められてる可能性があるんだ……」
全ての始まりは同じゲーム。
私は手に力を込めて、勢いよく椅子から立ち上がる。
「アスナ…さん…?」
私の行動に驚いたのかリーファちゃんが控えめに聞いてくる。
「私、行ってくる…そのALOっていうゲームに。」
私はエギルさんにお辞儀してから外に出ようと扉に手をかける。
でも、扉は開かれることは無かった。
「離して、キリトくん。」
外に出ようとした私の手を止めるキリトくんの手。
「1人でやるつもりなのか?」
「えぇ、彼とシノのんを救うためなら何でもするわ」
「ライアが居るという根拠は無いんだぞ?」
私はキリトくんを睨みながら言葉を放った。
「彼のいない世界を毎日毎日平然と笑って生きていけるほど私は強くないわ、泣いて目が腫れて部屋に閉じこもって、今でも鮮明に思い出すの……どれだけかき集めても散っていく彼の身体が……それがどれだけ辛いか君に分かるの!?」
「辛いのは俺達だって一緒だ!」
「貴方には分からないわ、目の前で最愛の人を失う辛さなんて!」
2人の言い合いは続いていく──
「じゃあ、何も出来ずに目の前で相棒を失った俺の気持ちが分かるのか!」
「貴方の辛さなんて私の辛さのほんの少しにしかならないじゃない、相棒って言ってるけど貴方が彼と関わったのは"たったの2年"じゃない!」
「……たった…?たっただと……!」
キリトは言われたくない言葉を言われたことによって怒りを顕にした。
キリト自身わか
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