止まった心、進む時間
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デスゲーム終了のアナウンスが響き渡る。
その数秒前まで目の前にいて抱き締めていたはずの彼の姿は、跡形もなく消えている。
何故彼が死ななければならない?
その疑問だけが私の脳裏に残る。
頭上に散りゆく無数のポリゴン。
それをどれだけかき集めても、意味が無いと分かっているがしなければ現実を認めてしまう。
私は無我夢中に彼の欠片を集める。
それでも、どう集めても手から消えていく欠片。
──嫌よ……嫌……!
信じたくない…信じたくない信じたくない信じたくない信じたくない信じたくない信じたくない!
──彼がいない世界に生きる理由なんてない。
私の中で何かが壊れた。
いや、既に壊れかけていた物が彼の存在によって何とか維持されていたが、彼が居なくなった事によってその支えが消えたという方が正しい。
私は立っていることが困難になり、崩れ落ちた。
──人間って、あまりにも辛いと涙が出ないんだ……
そんな私を支えるかのようにシノのんが私の身体に手を伸ばして抱き締めてくる。
「………シノ……のん……?」
「……何も……話さなくて……いいから…。」
私は涙を流しながらも何とか私を支えようと頑張っている彼女の姿に申し訳なさを感じた。
──……辛いのはシノのんも同じはずなのに……
当たりを見渡すとエギルさんとクラインさんが有り得ないと言うかのように固まっている。
2人とも涙で顔が酷かった。
その隣には、シリカちゃんとリズ、スリーファちゃん。
3人とも信じられないと目を見開いている。
私の後ろにはキリトくん。
キリトくんは何かブツブツと言いながら顔を伏せていた。
私が当たりを見渡しているとストレアさんがスッと立ち上がった。
「ストレア…?」
リズが不思議がって名前を呼ぶ。
「……ねぇ、皆はさ。」
彼女は話しながら歩を進めていく。
「ライアのHPが何で減っていったのか、知りたい…?」
中心で歩を止めてから、私達の方に視線を向ける。
「………貴方は知ってるの……?」
シノのんが半信半疑に聞いた。
すると、ストレアさんは頷きウィンドウを操作した。
「……前にも話したけど私はソードアート・オンラインのAI。アスナが持ってるユイの妹にあたるの。」
そう淡々と話し続ける彼女に私達は静かに聞く。
「ライアがラスボスになった理由、それはユニークスキルのせいだよ。ライアは『一刀流』とは別にもう一つ『暗殺術』っていう物を持ってた、本来そのスキルはこの世界の最終ボスに与えられる筈だったのにライアが目覚めてしまった。それによってバグが発生したの。」
「カーディナルはそのバグを対処する
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