第二話 亡霊が泣く〜後編〜
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「…………上等」
ライカは謎のBMパターンをタッチし、ペダルを限界まで踏み込んだ。
「っ……!?」
瞬間、ライカは襲いかかってくる強烈なGに一瞬、気を失いそうになった。相対距離にして六百はあったというのに、もう手を伸ばせば届きそうな距離まで詰めていた。
当然、レリオンが発砲してくる。しかし、この機体は更に加速し、左腕のプラズマバックラーを起動させた。
更に機体は全身の各所に配置されているスラスターが点火し、それによって上下左右に細かく動き、被弾を最小限に抑えていく。
(無茶苦茶な機動……!)
そんな状況でも、ライカは冷静に左操縦桿を一瞬だけ引き、すぐ前に倒した。思い描いたタイミングで機体は左腕をレリオンの胴体に叩き込んだ。一発、二発、三発。
すぐにプラズマが引き起こした小爆発がレリオンの胴体を蹂躙していく。
ライカはすぐにレリオンの後方にいるガーリオン・カスタムへアサルトマシンガンを連射し、接近しづらくする。今の戦闘機動を見れば、迂闊に来ないだろうが、念には念を込めた。
ライカは顔を動かし、左のレリオンをロックオンする。メインモニターに赤い枠が何個も映し出された。背部バックパックのミサイルということに気づいたライカは、一旦後方に下がることにした。
下がりながらライカは向かってくるミサイルをレティクル内に収め、
「……今度はおかしなことは起きないようですね」
トリガーを引き絞り、着実に一発ずつ落としていく。
「慌てるな! 相手は旧式に毛が生えたようなものだ! 確実に追い込むぞ!」
良く言うと、ライカは思わず顔をしかめる。残弾を確認しながらも、敵パイロットの言葉を聞き逃さなかったライカは次の行動に移った。
まだ残っているミサイルを引き付けてから、機体を一気に急上昇させると、目標を見失ったミサイルが見当違いの方向へ飛んでいく。それを見送りながらも、ライカはアサルトマシンガンのアンダーバレルをレリオンへ向ける。
敵はジグザグに動いたり、上下させたり、中々照準に入らない。
(やはり速い……だけど)
徐々にレティクルに収まっていく……。横からガーリオン・カスタムのバースト・レールガンの弾丸が飛んでくるが、敵は自機より低い位置から撃っているので無視。
もう少し――インサイト。
迷うことなくライカは、人指し指のトリガーの一つ下にあるボタンを押した。
アサルトマシンガンのアンダーバレルから、対PT用榴弾が放たれていった。反動で一瞬立ちくらみに似たような感覚を覚えるものの、すぐに意識を敵機へ向ける。
鋭く空を裂き、弾はレリオンのパイロットから眼を奪った。
もう一撃。――だがその前にライカは自分の精神状態を冷静に振り返り、
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