第二話 亡霊が泣く〜後編〜
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射撃を避けるが、避け切れなかったようで、右脇腹から嫌な音がした。
ライカはすぐにダメージチェックを掛けた。幸いにも掠っただけ。機体に慣れていない証拠である。
すぐにアサルトマシンガンをばら蒔き、威嚇。高度を上げながら一旦退いたガーリオン・カスタムはとりあえず意識から外し、先ほどから携行武装であるボックス・レールガンを出鱈目に放つ二機のレリオンへ狙いを定める。
バースト・レールガンの課題であった連射性を改善しつつ、小型化することによって取り回しを向上させた最新の武装は、ライカにとって非常にやりにくいものだった。
まずは当たらないように距離を保ちながら、ライカは牽制を掛けることに。
(今の一発を除けば先ほどから掠りもしていない。気を引くためなのか、下手なだけなのか……分かりませんね)
狙いをつけたレリオンを中心に、大きな円を描くように回り込む。
その際、アサルトマシンガンは単発モードに切り替え、一発一発を丁寧に撃った。予備の弾倉は二つ。
それが尽きるか、マシンガンを破壊されたら、あとは格闘戦になってしまう。
(え――――)
ライカは一瞬、頭の中が白く瞬いたような感覚を覚えた。
――今度は“当たる”。
敵機の銃口を見た瞬間、何故か確信に近い直感がライカの脳裏を過る。
その直感に従い、ライカは倒していたスロットルレバーを引き戻し、メインスラスターの推力を落とし、すぐに両方の操縦桿を引き、ペダルは踵の方に踏み込む力を入れた。直後にやってきた車の急停止のような慣性に歯を食い縛り、ライカの視界からレリオンが遠ざかっていく。
激しく切り替わる視界と共に、レリオンから放たれた弾丸がライカの真横を通過していった。もしあのまま牽制を続けていたら、今の弾丸はこの機体の排熱ダクトを貫き、近い内にオーバーヒートを引き起こしていたのは間違いない。
(何? さっきのは……?)
まるで今のシチュエーションを知っていたかのような動き。……とりあえずこの感覚の考察を後にして、ライカは戦闘に集中することにした。
レーダーを見ると、今の所は一対三。
レリオンの一機がライカを真正面から相手取り、もう一機がライカの左側面をキープ。ガーリオン・カスタムが粘りのある支援射撃をするという布陣だ。危惧されるのは十字砲火に晒されること。
何とか離れるべく、ライカは射撃用のBMパターンをセレクトしようと、コンソールのタッチ画面を開こうとした。
その時、また不可解なことが起こる。
「突撃!? 何ですか、これ……!?」
これが示すことはつまり、こういうことだ。突撃が最適。
確かにそれも選択肢として、ライカは考えていた。だが、機体の損傷は確実だったためにあえて除外していたのだ
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