暁 〜小説投稿サイト〜
スーパーロボット大戦OG〜泣き虫の亡霊〜
第二話 亡霊が泣く〜後編〜
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
OS》』は、そのままでもある程度は戦えるが、やはり自分用に調整しなければ思うようには動けない。

「三十秒切ったぞ!」
「話しかけないで。死にたくないなら黙っていてください」

 本来ならば時間を掛けなければならないのだが、ライカの操作に焦りはなかった。

(少し、高揚しているのかもしれない……)

 クロスレンジは終わった、次はミドルレンジ。

(またこの亡霊に乗れるなんて夢にも思わなかった)

 最後はロングレンジ。ここで、敵の通信が入った。

「時間だ。返答は?」

 深呼吸をし、操縦桿を握りしめ、ペダルを踏み込む。

「今です。ミサイル射出後、ハッチを開いてください」

 希望通りのタイミングでミサイルが放たれていった。同時にグンと高度が上がるのを肌で感じる。

「お気に召したかバレット1!? あとは自由に踊ってくれ!!」
「……了解」

 ペダルを更に踏み込む。機体の動力に火が入り、エネルギーが上昇していく。メイン・サブスラスター共に正常な稼働を確認。
 アサルトマシンガンを右手に保持、姿勢を前屈みに。――全ての準備は整った。

「テイクオフ」

 身体全体でGを感じる。次の瞬間、鉛色の景色から、青い空へと景色が切り替わった。すぐに戦闘空域全体へセンサーを走らせる。
 撃ったミサイルでちょうど半分に分散できていた。

(『テスラ・ドライブ』は標準装備ってところが素晴らしいですね)

 まずは確実に一機を。
 ライカはコンソールをタッチし、BMパターンを選択。四機の中で一番動きが悪い《レリオン》に狙いを付け、一気に操縦桿を倒す。
 すると機体はライカが調整した通りの戦闘機動(マニューバ)に移る。まずは一気に加速。

「なんだこのゲシュペンスト!? こんな加速……あり得ん!」
「……そう思っていた時点で貴方の撃墜は確定していましたよ、新兵(ルーキー)

 どうせ聞こえていないだろう。
 そんなことを考えながら、ライカは横殴りのGを感じる。両脛のスラスターで急停止を掛けた後、すぐに左肩のスラスターを最大推力まで引き上げ、《レリオン》の左側面を取った。アサルトマシンガンを右手で持ち、左手はアンダーバレル辺りに添え、しっかりと狙い――。

(一人目の亡霊(なかま)ですね)

 ――右人指し指のトリガーを引き絞る。
 銃口から吐き出された弾丸は、レリオンの装甲を食い破り、至るところから黒煙を立ち上らせた。徐々に高度が下がっていくレリオンのバックパック、正確には『テスラ・ドライブ』へ弾丸三発を叩き込み、ライカは次の標的へ意識を向ける。
 アラート。右足のペダルを踏み込み、左操縦桿を倒して機体を左方向に動かすことで間一髪、敵のガーリオン・カスタムから放たれた
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ