第二話 亡霊が泣く〜後編〜
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OS》』は、そのままでもある程度は戦えるが、やはり自分用に調整しなければ思うようには動けない。
「三十秒切ったぞ!」
「話しかけないで。死にたくないなら黙っていてください」
本来ならば時間を掛けなければならないのだが、ライカの操作に焦りはなかった。
(少し、高揚しているのかもしれない……)
クロスレンジは終わった、次はミドルレンジ。
(またこの亡霊に乗れるなんて夢にも思わなかった)
最後はロングレンジ。ここで、敵の通信が入った。
「時間だ。返答は?」
深呼吸をし、操縦桿を握りしめ、ペダルを踏み込む。
「今です。ミサイル射出後、ハッチを開いてください」
希望通りのタイミングでミサイルが放たれていった。同時にグンと高度が上がるのを肌で感じる。
「お気に召したかバレット1!? あとは自由に踊ってくれ!!」
「……了解」
ペダルを更に踏み込む。機体の動力に火が入り、エネルギーが上昇していく。メイン・サブスラスター共に正常な稼働を確認。
アサルトマシンガンを右手に保持、姿勢を前屈みに。――全ての準備は整った。
「テイクオフ」
身体全体でGを感じる。次の瞬間、鉛色の景色から、青い空へと景色が切り替わった。すぐに戦闘空域全体へセンサーを走らせる。
撃ったミサイルでちょうど半分に分散できていた。
(『テスラ・ドライブ』は標準装備ってところが素晴らしいですね)
まずは確実に一機を。
ライカはコンソールをタッチし、BMパターンを選択。四機の中で一番動きが悪い《レリオン》に狙いを付け、一気に操縦桿を倒す。
すると機体はライカが調整した通りの戦闘機動に移る。まずは一気に加速。
「なんだこのゲシュペンスト!? こんな加速……あり得ん!」
「……そう思っていた時点で貴方の撃墜は確定していましたよ、新兵」
どうせ聞こえていないだろう。
そんなことを考えながら、ライカは横殴りのGを感じる。両脛のスラスターで急停止を掛けた後、すぐに左肩のスラスターを最大推力まで引き上げ、《レリオン》の左側面を取った。アサルトマシンガンを右手で持ち、左手はアンダーバレル辺りに添え、しっかりと狙い――。
(一人目の亡霊ですね)
――右人指し指のトリガーを引き絞る。
銃口から吐き出された弾丸は、レリオンの装甲を食い破り、至るところから黒煙を立ち上らせた。徐々に高度が下がっていくレリオンのバックパック、正確には『テスラ・ドライブ』へ弾丸三発を叩き込み、ライカは次の標的へ意識を向ける。
アラート。右足のペダルを踏み込み、左操縦桿を倒して機体を左方向に動かすことで間一髪、敵のガーリオン・カスタムから放たれた
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