576部分:第四十五話 魏延、一目惚れするのことその八
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第四十五話 魏延、一目惚れするのことその八
「あんたのせいでね」
「だからそんなこと私が知るか」
「あんたのせいよ」
まだ言う馬岱だった。
「あんたがね。あの連中を考えなしにぶっ飛ばしたから」
「だから何度も言うがな」
「いいえ、あんたのせいよ」
「私が知るものか」
「あんたのせいよ」
「知るかっ」
「まだ否定するのね」
いい加減頭にきてだ。馬岱はその手の槍を構えた。
するとだ。女も構えるのだった。
「ううむ、下らぬことで争うものだな」
「そうね」
神楽が関羽のその言葉に頷く。
「これはね」
「しかし。こうなったらだ」
関羽は呆れながらさらに言う。
「どちらも引かないだろう」
「徹底的にってことね」
「やらせるしかない」
「あの、それって」
しかしここでだ。劉備が困った顔で話に加わってきた。
「何の解決にもならないんじゃ」
「それはそうなのだが」
「今は仕方ないわ」
その劉備にこう返す二人だった。
「姉者の気持ちもわかるがだ」
「ここは蒲公英ちゃんにやらせましょう」
「そんなのよくないです」
それでもまだ戦いを避けようとする劉備だった。それでだ。
女に対してだ。こう言うのであった。
「あのですね」
「んっ!?」
「ここは収めてくれないでしょうか」
こう女に対して言う。
「どうか。ここは」
「えっ、貴女は」
「私は?」
「はい、貴女は」
戸惑った声になっていた。
「何と・・・・・・」
「あの、私に何か」
「いえ、貴女はそれで」
「はい、喧嘩を止めて下さい」
女に対して切実に話す。
「どうかここは」
「は、はい」
劉備に言われるとだ。女は急に大人しくなった。
それで金棒を収めてだ。あらためて言うのであった。
「それでは」
「それじゃあ馬岱ちゃんも」
「ああ、蒲公英でいいわよ」
馬岱は自分の真名を呼ぶことをよしとしたのだった。
「それはね」
「あっ、そうなの」
「私も桃香さんって呼びたいし」
こう劉備に言うのあった。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、だから蒲公英って呼んでね」
「ええ。じゃあ蒲公英ちゃん」
実際に真名で呼んでみた。
「ここはね」
「仕方ないわね。桃香さんが言うのならね」
馬岱もここで劉備に応えた。
「それじゃあね」
「ええ。それじゃあここはね」
「貴女がそう仰るのなら」
また応える女だった。馬岱より彼女の方がだった。
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