暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第4章:日常と非日常
第118話「■■の尖兵・後」
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「がっ……はっ……!?」

 それを喰らった男は吹き飛ばされ、即座に体勢を立て直し…。

「…受けよ、天軍を束ねし聖なる剣!」

   ―――“天軍の剣”

 その背後に回り込んだ、もう一つの人影の光の剣に切り裂かれた。

「がぁあああああああっ!?」

 “闇”によって、切り裂かれた箇所を修復する男。
 しかし、そのダメージは相当なものだったようで、その場でのたうち回る。

「馬鹿な…!馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な!?ありえない。あり得るはずがない!なぜ貴様らが…!なぜ攻撃が通じる!?なぜ!?」

 何とか立ち上がり、男は目の前に立つ二人に問う。
 そう。あり得るはずがなかった。その二人は、つい先程まで気絶していたのだから。

「っ………まさか、そんなはずが……!?」

 そこで、男は気づく。
 二人の体の変化に。

 二人共、頭上に光輪、背に純白の羽が現れていた。
 その姿は、まさに天使。

「なぜ、お前たちがこんな所に―――!」

「総べての生、母なる天に回帰せよ…!」

   ―――“魔天回帰(まてんかいき)

 男が言葉を言い切る前に、片方が接近。
 掌から放たれた、高密度の“力”が、男を襲う。

「がはっ……!?こんな、事が……あって、いいはずが…!」

「堕ちよ。秩序なき力を、塵へと還せ…!」

   ―――“堕天灰塵(だてんかいじん)

 吹き飛ぶ男に、体勢を整える間を与えずに、もう一人の光が襲う。
 今度は上空へと吹き飛ばされた男は、現れた魔法陣に拘束される。

「なっ……!?」

「母なる天に、その身を捧げよ…!」

   ―――“昇魂光天(しょうこんこうてん)

 先ほど吹き飛ばした方が、魔法陣を一際輝かせる。
 瞬間、光が男に落ち、地面へと叩きつけた。

「がはっ……ぐ、ぅ……!?」

「……まだ、生きているんですね」

「しぶとい…が、もう終わりです」

 既に満身創痍。あれだけ攻撃が通じなかった男が、だ。
 “闇”による修復も追いつかず、瀕死に陥っていた。

「く…そ、がぁああああああ!!」

 最期に、男は全ての力を以って、二人の内片方だけでも葬り去ろうとした。

 …それすら、無駄に終わると知らずに。







「我が身は明けの明星、曙の子…地に投げ堕ちた星、勝利を得る者…!」

   ―――“明けの明星”

 …眩い星が、冥府に堕ちる。
 “闇”の力を伴った攻撃に、クロスカウンターの如く光が放たれた。

「――――――――」

 男は、その光に呑み込まれ、悲鳴を上げる間もなく消滅した。

「……………」

「…………」

 
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