暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第4章:日常と非日常
第118話「■■の尖兵・後」
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いのか?」

「っ……くそっ…!」

 振りかぶられた拳を、シャルを展開する事で受け流す。
 その瞬間、体が悲鳴を上げる。

「ぐ、ぅうう………!」

 それを何とか抑え込み、リヒトに魔力を流し続ける。

〈……マス、ター……ご武運……を………〉

「(リヒト…!…だけど、これで……!)」

 負荷が掛かりすぎたからか、リヒトは活動停止に陥る。
 だけど、宝具は発動しきった。

「シャル……!」

〈はい…!〉

 再び振るわれた剣に、シャルを添える。
 そして、受け流すと同時に掌底を決める。

 ……果たして、その一撃は、すり抜ける事はなかった。

「がはっ…!?な、馬鹿な…!?」

「辿り…着けた、ぞ……!」

 掌底で奴を吹き飛ばし、僕は吐血する。
 体が負荷に耐えれていない。シャルもそうだ。
 “格”の上がった僕の魔力に耐えきれなかったのか、活動停止していた。
 …無茶をさせてしまったか…。

「(何とかして、倒さないと…)」

 既に満身創痍。だけど、奴を倒さない限り終わらない。

「……ぁ……れ……?」

「……くく、攻撃を通したのには驚いたが、既に死に体じゃないか」

「く、そ…無理、しすぎたか……」

 意識が朦朧とし、足元も覚束ない。このままでは…!

「終わりだ。死ねぇ!!」

「っ………!」

 再び繰り出される、剣の一撃。
 何とかして、その攻撃を受け流すも……。

「ぐぅっ……!?」

「っ………ぁ………」

 カウンターを放つと同時に、僕は倒れてしまった。
 ……まずい……。この、まま…では………。

















       =out side=









 優輝は吐血しながら倒れ込み、そして動かなくなってしまった。
 死んだ訳ではないが、少なくとも戦闘は完全に不可能になった。

 …これで、動けるのは襲撃してきた男のみとなった。

「…く、くく…!やはり、この程度だったか……ははははは!!」

 最後のカウンターを耐え抜いた男は、その場で笑う。
 勝利を確信し、後は殺すだけと言わんばかりに。

「さて、まずは仲間から殺させてもらおうか。お前には絶望を味合わせるのがいいと聞かされたのでなぁ…。手始めに、お前の後ろにいる女どもを頂こう」

 気絶し、聞こえていないにも関わず、男は優輝にそういった。
 そのまま、後ろで倒れている奏達に近づこうとして…。











   ―――気が付けば、懐に魔力のような“何か”の掌底を打ち込まれていた。









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