暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第4章:日常と非日常
第118話「■■の尖兵・後」
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ャマルさんが治癒魔法を掛けてくれたので、ダメージが大きい奏を優先で頼む。

「帝君は遠くで結界で隔離してるから大丈夫。…でも…」

「状況を簡潔に伝えるわ。今、結界によって外部とは完全に遮断。外から入る事は出来ても、脱出は不可能よ。念話の類も通じないわ。尤も、それはリニスならよく分かってそうね」

「…はい。使い魔としての、魔力供給が完全に断たれていました」

 椿の簡潔な状況説明に、皆は奴がいた場所を見る。
 まぁ、明らかな元凶だ。あいつを倒さないとダメなのは丸わかりだからな。

「だけど、なのは達の砲撃が直撃したんだ。少なくとも…」

「あれでダメージを受けていたのなら、とっくに王牙が倒してる」

「なんだと!?」

 今の程度の否定で何突っかかってんだこの織崎(馬鹿)は…。
 ともかく、椿の状況説明は終わっていないので、続きを言ってもらう。

「王牙帝は私達より先に交戦。どうやら最大級の攻撃を当てても通用しなかったらしいわ。……敵の戦闘力は、軽く見積もって私達一人一人より強いわ。そして、何よりも…」

「ははははは!ようやく揃ったようだな!」

「………あいつには、攻撃が通用しないわ。いえ、正しくは、あいつを対象とした魔法、霊術、全てが効かないわ」

 砲撃魔法によって発生した煙幕を吹き飛ばすように、奴が笑いながら現れる。
 一切攻撃が通用していなかった事と、椿の言葉に、皆驚きが隠せないようだ。

「…だとするならば、一体どうすればいいのかしら?」

「……神降しがなければ、飛んで火にいる夏の虫だったわね」

「それ以外、手段がないという事か」

「いえ、それすら通じない可能性が大いにあるわ」

 プレシアさん、アインスさんの言葉に椿はそう返す。
 …だが、結界の効果を改めて聞いて気づいた事がある。

「くそ…!」

「待てヴィータ!迂闊に行っても…!」

 思考を巡らせるよりも先に、ヴィータが仕掛ける。
 攻撃が通じないと言われても、黙っている訳には行かなかったようだ。

「くく…!あまりに愚策…!」

「っ、速―――」

「後ろだ!」

「ヴィータちゃん!」

 背後に回られたヴィータは、咄嗟に掛けた僕の声に応じるように後ろを向こうとする。
 だが、間に合わない。なので、シャマルさんがすかさず遠距離から障壁を張った。

「がぁっ!?」

「(さらに速くなってやがる…!これは…ジュエルシード二つを取り込んだ僕の偽物以上か…!?)」

 その障壁も空しく、ヴィータは吹き飛ばされる。
 グラーフアイゼンで咄嗟に奴の拳を受け止めたが、今ので折られたようだ。

「『司!ジュエルシードをここに呼ぶ事はできるか!?』」

「『…
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