第4章:日常と非日常
第118話「■■の尖兵・後」
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=優輝side=
…椿たち四人が一斉に吹き飛ばされる。
攻撃が通じないのを良い事に、カウンターを放ったようだ。
「(僕らとは違う“法則”…確かに、それならば攻撃が通じないのも納得だ)」
殴られたダメージは大きいが、まだ戦える。
痛みを抑えながら立ち上がり、僕は思考を巡らす。
“法則”が違う。…これはつまり、二次元の存在が三次元の存在に干渉しようとしているようなものだ。そもそも“存在”がずれているのだ。攻撃が通じるはずもない。
「(攻撃は通じなくても、防御はできる。…となると、ホントに厄介だな…。)」
防御ができるという事は、相手の“法則”は僕らに一方的に干渉できる。
…そして、そこから考えられる事は……。
「(…格上の“存在”。または“法則”の世界から、奴はやってきた…)」
…となると、いよいよ僕らに勝ち目が…。
いや、まだだ。だからと言って、可能性が“0”な訳ではない…!
「っ……!」
“ドンッ!”と言う音と共に、奴へと斬りかかる。
とにかく奴に攻撃が当たらないにしても、そのまま皆をやらせる訳にはいかない。
「くくっ…!」
「っ、はぁっ!」
ギィイイン!!
先ほどと比べて、数段動きが早い。
だけど、僕はそれに対応して剣を防ぐ。
「っ……!」
「む…!」
剣を創造し、奴を囲うように突き刺す。
どうせ通じないのだ。目暗まし、足止めのどちらかになれば御の字だ。
「ついでだ…!」
さらに、地面に手を付いて創造魔法を行使する。
土を隆起させ、奴を囲うようにする。
時間稼ぎになるかは分からない。ただ、これで時間に猶予ができたはず…!
「皆、無事か…!」
「なん、とか……」
「そうか……」
僕が攻撃している間に、皆復帰していた。
とりあえず一か所に固まる。
「…攻撃を受けて理解した。…あいつ、“存在”そのものが格上だ。“法則”すら僕らとは別の領域なせいで、攻撃が通じないらしい」
「…それに加え、向こうの攻撃は通じると…。何よそれ、卑怯どころじゃないわ」
「対処法は……あるの?」
僕と椿の言葉に、奏が不安そうに聞いてくる。
「……一つだけ、な。だけど、これが難しい」
「むしろ、思いついていた事に私は驚いているわ。正直、打つ手なしだったもの」
「そうなんだよね。…あたし達じゃ、どうしようもないと思ってた」
珍しく椿と葵があっさりと諦めるような事を言った。
司と奏もその言葉に驚いているようだ。
「二人が…そう簡単に諦めるなんて…」
「“存在”の格が違う。…これ
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