第二十九話
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す!」
すると、春雨がいきなりそんなことを言った。
「あ?何で分かるんだよ。」
そうだ。今回の数少ない縛りのひとつに、『電探禁止』だ。相手の位置を半径五キロ以内である程度割り出す物だ。
それを持っていない筈なのに、何で分かる?
そう訝しく思ったけど、春雨が適当なことを云うとも思えない。
「まぁいいや。行ってみよう!」
俺はそう言うと、南南東の方向に移動し始めた。
―――そして、春雨の言っていた事が本当だと分かった。
多色移動していたものの、春雨の言っていた岩場付近に居座っている摩耶さんの姿がそこにはあった。
「なんでだ………………。」
なんでここまで正確に分かったんだ?なにか俺が見落としたか?それとも別のなにかか?
…………それも後だ!
「それじゃ、作戦通りにな。」
俺はそう言うと、雷撃の準備をした。
「了解です。後で木曾さんに怒られないかな…………。」
春雨はそう言いながら、砲撃と雷撃、二つの準備をした。
―岩場―
「おーおー、やっぱりバレてらぁ。さっすが春雨だなぁ。」
アタシは岩場に腰掛けながら、遠くでこちらをみている二号と春雨を眺めていた。相手に気付かれないように。
恐らく速さ的に、最初の閃光弾の位置がほぼジャストだったんだろうな。
「さてと、木曾はどんくらい二号を鍛えたのかねぇ。」
アタシはそう言いながら、岩場から腰を上げた。
すると、春雨がこちらに真っ直ぐ突っ込んできた。右手には砲台、左手には魚雷発車装置を持っていて…………え?
アタシは思わず春雨の右手を二度見した。確かに、砲台を持っている。
「…………なかなかやるじゃねぇか!」
そう、確かにアタシは勝利条件を『雷撃で大破判定させること』と言った。
しかし、『電探禁止』とは言ったが、『砲撃禁止』とは一言も言っていない。
「こりゃ、なかなかのポカじゃねぇか?アタシらしくねぇや。」
アタシは、自然と笑っていた。なんかおかしくなってしまった。
「まやさああああああああああああああああああああああああああん!!かくごおおおおおおおおおおおおお!」
春雨はそう叫びながら、挨拶代わりと言わんばかりに、三発砲撃してきた。恐らく威嚇射撃だろう。
「甘えよ!」
アタシはその砲撃に見向きもせず、春雨に向かって真っ直ぐ進む。アタシの後ろの方の岩場に着弾する砲弾。
このまま肉弾戦に持ちこんじまおう、そうしたら雷撃なんかとてもじゃないけどできやしねぇ。
アタシはそのまま春雨の二十メートル前まで距離を詰める。
「当たれええええ
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