第一話 亡霊が泣く〜前編〜
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た気がした。普通なら気にしないところなのだが、何せ載せてるものが載せてるものだ。
(……荒事になりませんように)
そう思いながら、ライカは運転席に繋がる扉を開いた。
沢山の計器類が忙しく動いている中、ちらちらとそれらを確認している操縦士の背後に立ち、ライカは声を掛ける。
「何かありましたか?」
「中尉……今、連絡をしようと思っていました。……たった今、所属不明機の反応が確認されました。進行方向から予測するに、あと五分で目視できるエリアに入ります」
「所属不明機……?」
この辺りで連邦の作戦行動が行われているという情報はない。
ノイエDCの残党の可能性を考えたが、恐らく可能性はほぼ皆無。指導者であるロレンツォ・D・モンテニャッコが目立った動きをしていない今、こんな所でうろうろしているなど考えにくい。
「目視可能領域に所属不明機が入りました」
途端、レーダーに光点として映し出される所属不明機。
(一……二……四。一個小隊……仮に連邦の極秘の作戦行動だとしても、こんなおおっぴらに行動しているなんて、普通ならあり得ない。それに識別信号が未登録……味方じゃない、なら……)
「そこの輸送機、停止しろ」
オープンチャンネルで呼び掛けてきた。
ライカは機のカメラの倍率を上げ、呼び掛けている機体とその後ろに控えている僚機を確認する。
(ガーリオン・カスタムが一機、レリオン三機……か)
正直に言って、かなり厳しい状況だった。《ガーリオン・カスタム》だけならまだしも、《リオン》の上位機が三機もあるとは。
ここまで来ると、《サイリオン》や《バレリオン》がいないのが不幸中の幸いとしか思えない。――そんなことに気を取られすぎた。
「っ……!!」
「中尉、第一ハッチに被弾! 開閉作動ボルトに損傷、航行に支障はありませんが……!」
思わず舌打ちをしてしまうぐらいには分かっている。
ライカの《ガーリオン》があるのは、そのたった今使えなくなった第一ハッチだ。
「繰り返す。ただちに停止しろ」
警告も無しに撃ってくるとは。ただならぬ雰囲気を察知したライカは操縦士にその場に留まるよう指示を出す。
「目的は何ですか?」
そう無線に投げ掛けると、すぐに答えは返ってきた。
「我々の目的は一つ。……その前に選択肢をやろう」
「選択肢?」
「一つ目は、こちらに輸送機の中身を全て明け渡した後、我々と来てもらう。……二つ目は」
アラート。リーダー格である《ガーリオン・カスタム》の携行武装であるバースト・レールガンの銃口が、こちらに向けられた。
「この場で死ぬか、だ」
「……時間をください」
「五分だ、その後返答を聞こ
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