暁 〜小説投稿サイト〜
太陽は、いつか―――

[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、一昨日と洋食系の朝食だったし、和食で行くのもいいかもしれない。
そうと決めたらすぐに行動に移す。長い一人暮らし歴に沿って身についた調理スキルをもってできる限り効率よく、しかし複数人分準備するというマルガがきて初めての経験にちょっと苦戦しながら。
ごはんは昨日の夜タイマーセットしてある。それに焼き魚と味噌汁、卵焼きなんかを揃えていって、「十人中九人がイメージしそうな和朝食」の出来上がり。

「あら、今日の朝ご飯はこれまでのとはちょっと違うわね」
「起きてたの、マルガ?」
「ええ、少し前から。気配遮断はできなくても、これくらいのアサシンらしいことはできるのよ?」
「なるほど納得」

起きてきて、俺が作業していたから気付かれないように見ていた、ということだろう。鼻歌とか歌ってた気がするから、ちょっと恥ずかしい。

「まあ、せっかくならってことで和食にしてみました。魚とかちょっと食べるのメンドクサイかも」
「骨が多そうよねぇ……取ってくれる?」
「あー……まあ、取り方は知ってるからいいか。あんまりうまくないし、ちょっと残るかもだけど」
「よろしくお願いします」
「頼まれました」

頼まれたのでマルガの分と、ついでに自分の魚の骨も前もって取っておく。そうした後にテーブルにいどうして、手を合わせる。

「では」
「「いただきます」」

手を合わせて、食事を始める。パンはすぐにエネルギーになる代わりになくなるのも早く、ごはんはすぐにはエネルギーにならないものの長続きすると聞いた気がする。これから遊びに行く身としては、こっちの方がよかったのかもしれない。

「そういえば、マルガってはしは使えるんだよね」
「そう言えばそうね。不思議よねぇ、聖杯って」

箸の使い方って聖杯が必要なものだって判断して渡すものなんだ。正直、その辺りのlineが全くもってわからない。

「そう言えば」
「うん?」
「なにか、あった?」

ピクリ、と。やっぱり英雄相手に隠しきれなかったかと思いながら、それでも笑顔を装う。だってこんなこと、話したってどうにもならない。もしかすると解決のため聖杯戦争を勝ち抜こうといってくれるかもしれないけど、それじゃだめなのだ。
俺は。マタ・ハリという英霊について知りたいのだ。ただの興味から始まって、今ではそれ以上の感情があって。
だから、このままでいい。このままがいい。たとえその先に待っているのがホルマリン漬けだとしても、構うものか。

「大丈夫、なんでもないよ。ちょっと嫌な夢を見ちゃっただけ」
「あら、そう?だったら今日はママが一緒に寝てあげましょうか?」
「……ちょっと引かれる自分がいるので、これ以上の誘惑はやめていただきたく思います」

だって、寝心地がいいかはたまたドキドキして眠
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ