ペルソナ3
1774話
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なくなる。
そうである以上、24時間営業をやっても客が1人も来ない日の方が多いだろう。
勿論エルフやそれ以外にもホワイトスターで暮らしている者が皆無という訳ではないのだが。
「にしても……さて、どうしたものだろうな」
周囲の様子を眺めながら呟くが、駅前近くになってきた事もあり、酔っ払いが何人か目に入る。
冬だからこそ、酒を飲むのか……いや、違うな。いつだって普通に酒を飲んでいるんだろうな。
「んだ、おい。何を見てるんだよ!」
そんな俺の視線に気が付いたのか、千鳥足で歩いていたサラリーマン風の男がこっちに向かって怒鳴りながら近づいてくる。
「ガキが何でこんな時間に外を出歩いているんだよ! 家に帰って宿題でも……え? ありゃ?」
叫んでいる途中で突然周囲を見回し始める男。
当然だろう。今、俺という存在はこの男に全く認識されていないのだから。
気配遮断のスキルは、こういう時に便利だよな。
酔っ払いの男は出てこいとか何とかまだ叫んでいるが、それを背に俺はその場を後にする。
そうして目についたファーストフード店に入ろうとし……その足を止める。
視界の端に、見覚えのある顔が映った為だ。
10代にしては大きな体格をしており、特徴的なニット帽を被っているのを見れば、それが誰なのかは明らかだった。
だが、一緒にいるのは友人や仲間……って感じじゃないな。
見るからに険悪な雰囲気だ。
一瞬どうするか迷ったのだが、一応顔見知りだ。
それにラーメンを奢って貰ったし、何かあったら協力して貰う協力者でもある
そうである以上、ここで放っておくという訳にもいかなかった。
どのみち、今の俺は暇なんだし。
そう判断し、路地裏に消えていく荒垣の後を追う。
「荒垣、てめえ……この前の礼はしっかりさせて貰うぜ」
「ああ? 礼だぁ?」
「そうだよ、折角女を誘ってたのに、余計な茶々を入れやがって……おかげで逃げられちまったじゃねえか」
荒垣には負けるが、それでも体格のいい男がそう告げる声が聞こえてきた。
その男以外にも4人の男達が荒垣を取り囲んでいる。
普通に考えれば、5対1というのは絶望的な戦力差だ。
……シャドウミラーに所属する者にとっては、普通の人間が5人だろうが10人だろうが特に問題はないが、荒垣の場合は幾ら不良達の間で一目置かれているといっても、結局はただの人間でしかない。
それがあれだけの人数に囲まれれば……うん? けど、こうして見る限りだと特に焦っている様子もないな。
だとすれば、自分だけで何とか出来るのか?
まぁ、どうせ朝まで何をするにしても時間を潰す必要がある。
そういう意味では、それなりにこっちとしても都合がいいのは間違いない訳だが。
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