ペルソナ3
1774話
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気配という時点で、それがどんな存在なのかは容易に理解出来てしまう。
そもそもの話、ゆかりが寮の部屋で眠っている以上、ここで感じた気配というのはどのような存在なのかは容易に想像出来る。
空間倉庫の中からゲイ・ボルクを取りだして気配のした方に向かって進むと……
「やっぱりな」
曲がり角を曲がった俺が見たのは、地面を這っている影の姿だった。
影の中でも、赤い仮面のアギを使うスライムもどき。
そのスライムもどきが、俺の方を見ると地面を這いずりながら近づいてくる。
「アギ」
そしてある程度距離が縮まったと思った瞬間、スライムもどきから放たれる火の玉。
「馬鹿が」
その火の玉をあっさりとゲイ・ボルグで吹き飛ばすと、そのまま瞬動で距離を詰め、ゲイ・ボルグを突き出す。
仮面の中心を貫かれ、影は今までのように空気に溶けるように消えていく。
「……けど、いつ出てきたんだ? 俺とゆかりが塔の中に入る前に、もう塔から出てたのか? それとも、ゆかりの部屋にいる時? ……まぁ、理由はどうでもいいか。ともあれ、こいつらがいるのは恐らく色々と不味いだろうし」
この現象が終わった時、影がどうなるのかは分からない。
だが、それでもこうして人がいるのを見れば襲ってくるような相手を放っておくのは、止めておいた方がいいのは間違いない。
……まぁ、俺の場合は正確には人じゃないんだが。
ただ、ゆかりを襲っていたのを思えば、人を襲うというのは決して間違ってはいない。
ゲイ・ボルグを空間倉庫に収納し、そのまま道を歩き続け……やがて、ふ、と周囲の空気が変わる。
そうして気が付けば、視線の先では数秒前には動いていなかった信号機がきちんと動いていた。
どうやらちょうどタイミング良くあの妙な現象が終わったらしい。
もっとも、あの現象が終わっても真冬の日付が変わった時刻だ。
周囲には他の人の姿はなく、ただ冷たい冬の夜の空気が周囲に漂ってるだけだ。
……まぁ、雪が降っていないだけ、良かったのかもしれないけど。
周囲の様子を眺めつつ歩き続け、やがて近くにあるコンビニに入る。
中は暖房で暖かく、客の姿も数人いる。
この時間にいるのであれば、多い方……何だろう、多分。
そう言えばホワイトスターにコンビニってないよな。
正確にはシャドウミラーで経営している量産型Wが店員をしているコンビニっぽい店はあるが、別に24時間開いている訳じゃない。
そもそも、ホワイトスターで商売をしているのは、その殆どが他の世界から来ている者達だ。
そのような者達が朝になるとゲートを使ってホワイトスターにやってきて交流区画で商売をしており、夜になると帰る。
そんな訳で、夜になると交流区画は極端に人の数が少
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