能力
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を貸してもらう方法。紫翔はこっちのクチで、契約能力者と呼ばれている。…大丈夫か?」
一度に話しすぎただろうかと社長は梦見を気遣ってくれた。でも、知らなきゃいけないんだ。
「大丈夫です。紫翔さんのことなら、頑張って覚えますから」
梦見が微笑んで返すと、社長に微妙な顔をされてしまう。何か変なこと言っちゃっただろうか。
「…自覚無し、だからなぁ…」
社長が呟く。
ここで、先ほどの仕返しとばかりに紫翔がニヤリとして、社長に言った。
「ほら、社長はんもあれ、見せればええやんか」
「気味悪がられるー…」
子供のように駄々をこねる社長。何をしようとしているのか、梦見にはてんで分からなかった。
「自分の猫又見て可愛いって言うた子ぉやで?あれも大丈夫やと思います」
「おまっ…他人事だと思って…」
「ほらほら、梦見はん不思議そうにこっち見てはるから、早くしなさんな」
黒い笑いを浮かべて、彼は社長に間接技を決めにかかる。……強い。
「いだだだだだっ!!!ギブ、わかった、分かりましたから!」
それを聞いて、パッと手を離す紫翔。この組織の上下関係はどうなっているのだろうか。
「〜ったく、紫翔が灯の社長やれば良いだろ…」
「自分の能力じゃ纏められまへん。それに社長はん、仮にも創始者やし」
「まぁそうだが…」
彼が灯の創始者…。おちゃらけてるだけの人じゃなかったんだ!と梦見が思ったことは社長には内緒だ。
「梦見、気味悪がらないでくれよ?」
そう前置きして、社長は目を閉じ…たかどうかは分からないが、また光が集まってくる。そして、弾けた。
一見、彼に変化は見られない。服もそのまま、目を覆う紐もそのまま、髪もそのまま。
「社長さん、どこが…」
言いかけて、梦見は気が付く。社長さんの額に、蛇のような黒々とした大きな目が存在することに。
「はは…気味悪いだろ?第三の目なんて」
「凄い…」
「はい?」
「凄い!だって、見た目からして神々しいんですよ!?社長さんが社長な理由、今分かりました」
「それって褒めてるのか!?俺を貶してないか!?」
梦見が正直に感想を言うと、社長さんに突っ込まれてしまった。本当に神々しいのになぁ…。
「珍し。社長はんが突っ込みはった」
「今のは突っ込みたくもなるだろ!…気味悪がられなかっただけ良いが…そう言えば紫翔が"なんか凄い子"って言ってたし…」
なにやら納得した様子の社長。それよりも、単純に梦見が気になっていることがあった。
「あの、社長さん。社長さんは、何の能力者なんですか?」
「"悟り"だ」
言ってから、自嘲気味に笑みを浮かべる社長。
「迷惑な能力だぜ?右目で見ればプロフィールが見えるし、左目で見れば心が読める。知りたくもない情報が流れ込んでくる。知らない方がいいことだって、世の中にはあるもん
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