第六章
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「街の皆と一緒に」
「そういえば前に子供達だけの十字軍があったな」
「多分それです」
食事のパンを噛じりつつだ、ニコラスは船乗りに答えた。
「僕達が参加していたのは」
「そういえばあの十字軍はここに来たんだったな」
「そのことは間違いないんですね」
「ああ、しかしな」
「それでもですか」
「どうなったんだろうな」
船乗りは彼等のそれからは知らなかった、言葉にも顔にもそれが出ていた。
「聞かないな」
「そうなんですか」
「ああ、ここに来たとは聞いていたんだ」
ニコラスが参加していた十字軍、つまり子供達はというのだ。
「そこまではな」
「後は」
「どうなったんだろうな」
「エルサレムに向かったのでしょうか」
「さてな、ただな」
船乗りは行方を知らない、だがそれでもだというのだ。
「ここに来たのは間違いないんだ」
「このアレクサンドリアには」
「だからな」
それでというのだ。
「ここで手掛かりを探すか」
「このままですか」
「あの十字軍がどうなったのか調べるか」
彼の仲間達ではなく、というのだ。
「そうすればわかる」
「皆のことも」
「ああ、そうするか」
「それじゃあ」
「明日からそちらで調べていくぞ」
船乗りはここでも彼が主導して言った、こうしてだった。
二人で十字軍の行方自体を調べることにした、すると。
市場で話を聞いている時にだ、ニコラスは頭にターバンを巻いた異教徒達の中に白い肌の者を見掛けて瞬時に驚きの声を挙げた。
「ペーター・・・・・・!?」
「どうしたんだ?」
「いえ、さっきです」
市場の中にというのだ。
「同じ街の仲間がいたんです」
「一緒に十字軍にいたうちの一人かい?」
「はい、いました」
その彼がというのだ。
「白い肌でターバンを巻いていました」
「白い肌は俺達の特徴だ」
即ち欧州の人間のというのだ。
「それでターバンを巻いていたら嫌でも目立つな」
「そうですよね」
「その人は何処にいたんだ?」
「あっちです」
彼を見た方を指差して答えた。
「あっちにいました」
「じゃあそっちに行くか」
「はい」
今度ばかりニコラスが先に行った、そしてだった。
その白い肌のターバンを巻いた男を探した、するとすぐにだった。
市場を巡っている数人の異教徒達の中に彼を見付けた、目は青くターバンから見えている髪の毛は金色だった。
その彼のところに来てだ、ノコラスは彼に声をかけた。
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