第二章
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「これ以上はないまでの生活送りたいよ」
「そうなればいいな」
ラーマの返事は素気なかった。
「本当に」
「おい、素っ気ないな」
ウボンもそこを言う。
「随分と」
「妄想だからな」
「それでか」
「本気で相手にしていられるか」
「それが友達に言う言葉か」
「友達だから言うんだよ」
ラーマはこの言葉は本気で返した。
「馬鹿言うなってな」
「やれやれだな、けれど宝くじに当たってな」
「億万長者か」
「俺ギャンブルはしないけれどな」
実はウボンは根は真面目でそうした遊びはしない、テレビゲームに漫画が彼の趣味である。
「それでも一攫千金でだよ」
「宝くじだけでなくてか」
「それで大金持ちになってな」
「今言ったみたいな暮らしか」
「ああ、してやるぜ」
ウボンは昼飯のビーフンをすすりながらラーマに言った、この時彼は本気でこう言っていた。
そしてある日だ、たまたま買った宝くじがだ。
「えっ、マジかよ」
何と一等だった、しかもだ。
ある大金持ちがだ、彼の家にわざわざ来て言ってきた。
「是非当家の養子に入られて」
「跡を継いで欲しいと」
「当家には実子がいないので」
だからだというのだ。
「貴方の誠実なお人柄を見込んで」
「養子に入って」
「家を継いでくれませんか」
「喜んで!」
ウボンは即答で返した、こうしてだった。
彼は豪邸、いや宮殿に入った。そこはまるでフランスの王宮の様に見事で運転手付きのリンカーンまであった。
彼は宝くじの金に加えてその家の資産も手に入れてだった。
朝食からだ、桁外れのものでだ。彼はシャンパンまで付いているテーブルの上の何十品ものフランス料理を見て言った。
「朝から」
「少ないですか」
「いや、とんでもない」
イギリス風の執事とメイド達に驚愕の顔で応えた。
「こんな朝食はじめてで」
「当家では至って粗食ですが」
「これで」
「はい」
執事は最高級のタキシードに着替えさせられている彼に答えた。
「左様です」
「これだけのものが」
「質素な朝食です」
「そうなのですか」
「ではお好きなものをお好きなだけ」
食べていいというのだ、そして彼は実際にそうした。
ペットには大勢のシャム猫やコリー達がいて宮殿の庭にはプールまでありバスルームもまるでプールでありしかも全て大理石であった。
思いも寄らぬ豪奢な生活は昼だけでなくだ、夜は。
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