第六章
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「実際の管理にも関わってるみたいよ」
「そうなんだね」
「怪しいわよね」
「そう思うよ、僕も」
岩美は妻に舞うを曇らせて答えた。
「怪しいね」
「やっぱりそうよね」
「予算のこともっと調べてくれるかな」
自治会長として妻に頼んだ。
「そうしてね」
「おかしいっていう証拠が出たら」
「警察に通報しようか」
「このことを放っておいたら」
「流石にね」
それこそとだ、明恵も夫に話した。
「駄目だから」
「これまでは警察沙汰までいかなかったけれど」
「これは違うよ」
「こうしたお金の話はね」
「特にね」
まさにというのだ。
「放っておいたら駄目だから」
「よく調べて」
「そしてね」
「確かな証拠が出たら」
「通報ね」
「こちらもね」
こう話してだ、岩美は明恵に鬘の棟の予算のことについてさらに調べてもらった。だがいよいよ怪しい証拠に辿り着けると思った時に。
急にだ、鬘は一家全員で引っ越した。誰にも何も言わずに夜逃げそのものでだ。そうした。
そして証拠だ、肝心なところがだ。
「消えているんだ」
「そうなの」
「これはね」
どうやらというのだ。
「証拠をね」
「消してなの」
「そのうえでね」
「夜逃げをしたのね」
「PTAのお金もだよね」
「ええ、調べたらね」
明恵がそうしてもだったのだ。
「やっぱり肝心の部分をね」
「消して」
「それでわからない様にしてよ」
そのうえでというのだ。
「そのうえで」
「消えたんだね」
「一家ごとね」
「あの家はどうもね」
「どうも?」
「ご主人もね」
つまり鬘の夫もというのだ。
「何かと胡散臭い人で」
「そういえばあの人お仕事は」
「何をしていたのか」
首を傾げさせてだ、岩美は鬘に話した。
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