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外道の末路
第五章

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 ある日だ、鬘の娘が通っている小学校の校長が明恵のところに来て彼女にこっそりとした声で言ってきた。
「あの実はです」
「実は?」
「この団地におられる鬘さんですが」
「あの娘が何か」
「娘さんも問題ですが」
 校長はその禿頭が目立つずんぐりとした身体を小さくさせて話した。
「お母さんのことで」
「あの人ですか」
「はい、鬘さんのお母さんはPTAにおられますが」
「そうらしいですね」
「そのお金をです」
 PTAのそれをというのだ。
「どうもです」
「まさか」
「はい、横領しているらしいので」
「あの、それは」
 横領と聞いてだ、明恵は眉を瞬時に曇らせて言った。
「幾ら何でも」
「はい、犯罪ですね」
「そこまでしては」
「まだ証拠ははっきりしていませんが」
「それでもですか」
「PTAの予算管理の担当に無理に言ってなられましたし」
「予算の」
「そこからPTAの予算の要求が異様に増えて使い道もです」
 そうしたこともというのだ。
「わからないものが増えていまして」
「では」
「はい、あの人がです」
 その鬘がというのだ。
「怪しいとPTA会長も私に言ってきまして」
「校長先生もですか」
「調べていますが」
「やはり怪しいですか」
「今の時点ではそう思っています」
 そうだというのだ。
「どうにも」
「それでは証拠がはっきりしたら」
「その時は考えています」
 刑事告訴なり何なりをというのだ。
「その様に」
「そうですか」
「それでお話をしに来ました」
「あの人がこの団地におられるので」
「はい、それで団地の方は大丈夫でしょうか」
「この団地の」
「予算等は」
 校長は明恵にこれまで以上に小さな声で話した。
「どうなのでしょうか」
「調べてみます」
 明恵は校長の話に不安になってすぐにそうしようと決めた、鬘が金銭のことでも問題だと聞いてだ。
 それで校長にすぐにそうすると約束した、そして実際に調べてみるとだった。
「あの人の棟ではなの」
「何か不思議とだね」
「自治会の運営費が他の棟より多く出されているけれど」
「その管理はなんだ」
「鬘さんがあれこれ言ってね」 
 そしてというのだ。
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