第三章
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「私もあの人の左隣の松坂さんも上の伊東さんも下の脇坂さんもです」
「皆さんですか」
「困ってるんです」
鬘の部屋からの騒音にというのだ。
「団地中のお部屋の郵便物取られますし」
「娘さんにですね」
「郵便入れの中にガムやゴミを入れられたリ」
鬘の娘がそうした悪戯をするというのだ。
「小さな子をいじめたりもして」
「お子さんにもですか」
「困ってるんですけれど」
「逆に奥さん達がですね」
「何とかなりません?何か学校のPTAでもです」
そちらでもというのだ、岩美家の息子は別の地域の大学に通っていてそこで下宿しているので彼等はそちらには縁がなくなっている。
「あの奥さん何かと言っているそうですし」
「あちらでもですか」
「もう何か」
「モンスターペアレンツですか」
「クレーマーといいますか」
その類だというのだ。
「そうらしいです」
「そうですか」
「はい、ですから」
だからだというのだ。
「あの人こそどうにかなりませんか?」
「鬘さんですか」
「娘さんもです」
小学生の彼女もというのだ。
「私達にはまだ子供はいませんが」
「それでもですね」
「団地の奥さん達も困ってるんです」
小学生の子供を持つ彼女達もというのだ。
「ですから」
「そうですか、しかし」
「それでもですね」
「難しい人なので」
とかくとだ、明恵は困った顔で奥さんに答えた。
「何とかしたいですが」
「それでもですか」
「これが中々」
「困りましたね」
特に隣人としてはだ。
「それは」
「ですがあの人のことはです」
「会長さんもですね」
「聞いていますし」
以前からというのだ。
「私共でもです」
「何とかですか」
「する様にします」
自治会長の妻としてだ、明恵は奥さんに答えた。
「そうします」
「お願いします、何かあることないこと言われている人もいますし」
「あることないことですか」
「あの人と揉めて」
そしてというのだ。
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