第六章
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「実際にそう言われた」
「だったらね」
「もう、か」
「そう、今の会社は辞めて」
そしてというのだ。
「他の会社に勤めればいいわ」
「そうした方がいいか」
「過労死するよりましだから」
「命あってだな」
「例え再就職先が見つかりにくくてもね」
それでもというのだ。
「死んだら元も子もないから」
「そういうことだな」
「お父さんとお母さんもそう言ってたでしょ」
「ああ」
両親も見舞いに来た、そして実際にそう言われた。
「そうな」
「だったらね」
「転職か」
「今のお仕事は辞めてね」
「そうしてだな」
「まずはゆっくりと休んで」
過労死寸前の身体をというのだ。
「いいわね」
「そうするな」
翔真はベッドの中から妹に顔を向けて答えた、そして程なくだ。
両親の助けを借りて入院している最中に退社願いを出した。会社の方はあっさりとそれを認めた。それを見て留華は見舞いに来た時に言った。
「そうした会社だったのよ」
「辞める奴はか」
「そう、あっさりとね」
「いたわることもなくなんだな」
「そうさせていったのよ」
「何かな」
「ブラックでしょ」
まさにそれだとだ、留華は翔真に枕元で言った。
「それこそ」
「そうだったんだな」
「人を切り捨ててね」
「若し俺が過労死してもか」
「それで終わりだったわよ」
「そうした運命だったか」
「だからね」
「辞めてよかったか」
「お兄ちゃんもそんな扱い嫌でしょ」
「ああ」
実際にとだ、翔真は留華に答えた。
「本当にな」
「そうよね、じゃあね」
「退院したらな」
「次のお仕事探すわね」
「そうする」
こう言ってだ、実際にだった。
彼は退院してから次の仕事場を探した、暫く就職活動は続いたがやがて農協勤務となった。そこで働くとだ。
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